第二次世界大戦中期、ナチスはヨーロッパのほぼ全土に占拠地域を広げていた。ヒトラーの後継者と呼ばれいたナチス第三の実力者ラインハルト・ハイドリヒは、ユダヤ人大量虐殺の提案者でもあり、その実権を手中におさめていた。
イギリスとチェコスロバキアはハイドリヒ暗殺計画を秘密裏に計画。ヨゼフ(キリアン・マーフィ)、ヤン(ジェイミー・ドーナン)ら7人の兵士をパラシュートによってチェコに送り込んだ。
ヨゼフとヤンはプラハに住む反ナチス組織の家族の援助のもとで暗殺計画を進めていくが……。
辛い、辛すぎる作品だった。観ている間、ずっと身体が固まったまま。
2人の青年は、ヒトラーの片腕と言われユダヤ人虐殺に関わった「悪魔」のような存在を暗殺するのだから、英雄的な行動には間違いない。しかし、代償の大きさは目を覆うばかりだ。疑いをかけられた村一つを全部焼き払い、処刑された。
内通したら懸賞金と内通者とその家族は罪に問わないという通告に仲間を売るものも出てくる。
史実として勇気も悲劇も克明に描かれているが、これほど圧倒的なリアリティーで描かれているヒトラー関連映画は稀だと思う。