娘がびっくりして「この暑い日に天ぷらするなんて、どうかしたの?映画いかないの?」と言ったが「可愛い娘が来てるから映画どころじゃないよ」と返した。未公開のDVDを借りてあったのでそれを見なきゃいけないし、家の掃除もやらないといけない箇所があるし、と予定だけはいっぱい。
でも頑張ったのは天ぷらだけ。あとはぐたぐた1日中、くっちゃ寝、汗かいたらお風呂(今のところクーラーは未使用)に入って過ごした。たまにはこんな日もいい。
🎬『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』テレンス・ディヴィス監督/イギリス、ベルギー/125分/7月29日より岩波ホール他にて全国順次ロードショー公開。名古屋は8月12日より名演小劇場にて上映
19世紀半ばのマサチューセッツ州。女子専門学校に通っていたエミリ・ディキンスン(シンシア・ニクソン)は学校の教えに従えず、そんなエミリを弁護士の父親がアマストの実家に連れ帰った。
エミリは両親と兄、妹と過ごすことになった。一人孤独に詩を綴るエミリの姿を見て、土地の名士である父親の計らいで地元の新聞に初めて詩が掲載された。当時としては女性が詩を詠むなど異例なことだった。
約190年前にマサチューセッツ州で生まれたエミリ・エリザベス・ディキンスン。お名前も作られた詩も知らなかった。
彼女はアメリカの最初の女子大「マウント・ホリヨーク女子専門学校」に入学するが約一年で家に帰る。
そのいきさつが映画の冒頭に描かれている。納得いかないキリスト教の「信仰告白」(神に対して自分の信仰を明確に言葉で言う)をしないなど、周りから白眼視される。
公然と「詩や文章は女性の仕事ではない」とにべもなく言われる時代にしっかり自身の考えを実行するエミリは変わり者には違いない。今、彼女が現代に生きていたとしても、これだけはっきり自分の考えを言える人は少ないと思う。
そんな彼女の遺した詩のいくつかが、プレス資料に載っていたが、そこには「なにものにも従属しない自由」と「平凡な言葉を使いながらも彼女の手にかかると真っさらな美しい言葉に変わる」のを感じた。
エミリの死後、46束の詩が見つかる……観ていて崇高な気持ちになった作品だった。