とある村の人望ある医者(フランソワ・クリュゼ)は自身が余命わずかと診断されて、診療の負担を減らすために助手を雇うことにした。村の診療の後継者になってもらいたいという希望もあった。
その面接を受けに来た40代の女性ナタリー(マリアンヌ・ドニクール)は近くの村に住んでいて10年間看護師をしていて研修医の資格を取ろうとしている非常に熱心だった。
村の診療所のやり方に戸惑うナタリーだったが、思っていた以上に的確な仕事ぶりで患者の評判もなかなか良いものだった。
この作品はシドニーの映画館で観て半分以上想像して書いたが3割しかあってなかった💦
原題は『The country doctor 』で田舎の医者だ。トマ・リルティ監督監督は『ヒポクラテスの子供達』の方で、主演が『最強のふたり』の方だから一般公開される見込みは高いと思ったが、この映画祭で観られるとは思わなかった。
ナタリーと医師のピエールの考えはいつも一致するが、ただ一つ意見が分かれることが「山場」になっている。この山場も地域医療の問題もどこの国においても同じように抱えている。
普遍的な内容、名優たちのおかげか、とても安心して観られた。
マリアンヌ・ドニクールさんはあまり見慣れない女優さんだったが信念に裏打ちされた行動を直向きに演じていた。力量のある女優さんだ。
🎬『愛せない息子』アーリル・アンドレーセン監督/ノルウェー/日本初上映
愛する妻を亡くしたヒューティルは、妻と一緒に育てていたコロンビアから迎えた6歳の養子ダニエルとの関係に悩んでいた。
ある日、ドライブの途中で口喧嘩した時に、幼いダニエルを置き去りにしたヒューティルは、ひどく後悔して、こんな状態を打開しようと実母の住むコロンビアに息子を連れて探しに行くが……。
養子縁組みでは保護者である1人が亡くなることは起こりえる。父親は仕事に忙しく養子を母親が可愛がって育てていたので、父親も接し方が上手くないし、子も命令口調の父親に反抗して言うことをきかないのだ。
でも、父親が産みの母親を探そうなどと突飛なことを考えるなぁ、父親自身にも何か欠落したものがあるのではと思った。とにかく父親は「よくキレる男」だ。
実母探しの実情も「嘘」で塗り固め、お金で人から情報を買い取り、目的に近づくが、その途中でいろんなことが起こる。
この父親はどういう結果を出すか最後の方までわからないが、血のつながりはなくても一緒に暮らして培った「似たところ」で先の光が見えてくる結末に、このコロンビア行きも悪くなかったとホッとした。