2017年07月19日

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭(1)『中国のゴッホ』『市民』

🎬『中国のゴッホ』ハイボー・ユー、キキ・ティエンチー・ユー監督/中国、オランダ/日本初上映

複製画では世界の半分以上のシェアを誇る油絵の村・ダーフェン。独学と見よう見まねで20年の間、ゴッホのレプリカばかりを描き続けている男・ジャオ・シャオヨン。しかし彼はまだ本物のゴッホを見たこともない。そんな彼が20年来の夢の地オランダ・アムステルダムを訪れて…。

監督のハイボー・ユウさんだけ来日。もうお一人のキキ監督は娘さん。

面白いドキュメンタリー!

偽物作りでは世界一の中国(失礼!)でもゴッホの油絵をみても誰も本物と思わない。

村全体がそんな商売をしている中国って…と思ったが売血村があるんだから、油絵村はあっても全然おかしくない。

彼の工房には絵描き職人が数人いて、彼の家族、兄弟も働いている。すごい勢いで絵筆を走らせて、1日十時間の制作をして、乾かすためか天井からいっぱいゴッホのひまわりが吊るされている光景は圧巻。

それでいてアムステルダムに行く費用が捻出できないと渋い顔の奥さん。

これは何かの賞に値する作品と思うし、公開してほしい作品だから詳しくは書かない。でもアムステルダムに行ってからの面白さはどんどん増す。中国人のたくましさが嫌みなく描かれていた。

🎬『市民』ローランド・ヴラニク監督/ハンガリー/日本初上映

政治難民としてアフリカからハンガリーに移住してきたウィルソンは、市民権をもらうためにハンガリー憲法の試験を何回も受けるが落ちてばかりだった。

そんな時、仕事場のスーパーマーケットの同僚から、試験対策の教師で中年の女性・マリを紹介され、彼の人生が少しずつ変わる始めるが……。

主役ウィルソンを演じる黒人男優さん(マルセロ・カケ=ベリ)の面構えに圧倒された。監督さんが道を歩いていた彼を追いかけて見つけた経緯を話してくれた。

監督さんは「もし、裸同然で友人も知り合いもいない国に1人来たと想像してみてください」との問いかけに、そんな想像したことがないミッキーには衝撃的だった。現代社会が抱える移民問題の矛盾を浮き彫りにした力強い作品だった。

posted by ミッキー at 08:38| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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