2017年07月18日

第26回レインボーリール映画祭(4)『きみは海』『17歳にもなると』

今日から埼玉川口で開かれているSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。晴天ではないのでホッとした。この地は日本有数の熱くて有名なところ。2年前まで冷えたペットボトルのサービスがあったが、今は紙オシボリだけ。

さて昨日はレインボーリールの最終日。4000人の入場数で宮沢代表も大喜び。クロージングのフランス映画も◎だった。

🎬『きみは海』高橋知子監督

平凡で引っ込み思案の文系大学生・快人は、そんな性格のせいで失恋。今までバイト経験もなかったが心機一転、喫茶店でアルバイトすることにした。慣れない接客で落ち込んでいるところを先輩アルバイトの透子に励まされて徐々に仕事を覚えていった。

二人は趣味の文学の話をしたり、透子からアパートに遊びに来ないかと誘われたり、だんだんと親しくなってお互いのアパートで泊まる間柄になった。

夢中になった快人は別人のように明るくなったが、しばらくして透子から「公園で出会った女性と付き合っている」と告げられた。

レズビアンという言葉を口から出したこともないほど世間に疎い快人にとって、ただ茫然とするばかりだったが、彼は透子の気持ちを取り戻そうと意外な行動にでる。


64分と短い映画だったが、最初20分は若い男女の恋愛なのでどう展開するか興味を持った。後から分かることだが、透子は元々レズビアン。

それでいて快人と付き合う気持ちはきっと「この子なら付き合っていけそう……(このウブな男とならいけるかも、試してみよう)と思ったのでは ? ミッキーの深読み癖が出たが、そこのところの女の気持ちが「綺麗ごと」だけというところが気に食わなかった。

☆東京という設定だがアパートが立派過ぎ、快人のアパートは10万円以上、彼はそれまでバイトもしていなかったので家が豊かと想定しても、透子のアパート(というよりマンション)は豪華。家賃20万以上はするはず。

🎬『17歳にもなると』アンドレ・テシネ監督/フランス/日本初上映

裕福な家庭の一人息子ダミアンは17歳。母親は医師、父親は軍人でダミアンはワガママな高校生。住んでいるところはピレネー山脈の麓の町。

同級生で目の敵のように突っかかってくるトマはこの地の農家に養子としてもらわれて来た男の子だ。農業や酪農をする家庭に幼い時に養子で来たが、義理の両親は良識があり優しさもある家庭だ。

トマは学業も真面目で家業もよく手伝っていたが、母親が体調を崩して村の医師にみてもらう。的確な診察をしてくれた医師は「虫の好かないダミアンの母親」だとあとから知る。

母親の体調の悪いのは思いがけない妊娠で一時的に入院する。同級生とわかった母親は「うちで一緒にしばらく暮らそう」と提案する。

スパイラル・オープニングがドイツのゲイ青春の映画だった。クロージングはフランスのゲイ青春映画。でもこのフランス映画は二人が喧嘩ばかりしていて、いつになったら愛を確認するのかと随分焦らされた。

二人のことも気になるが、周りで起こるいろんなことがけっこう現実的で痛みを伴うものだった。これもオープニングの作品と同じように「ある家族の物語」といえる青春映画だった。

posted by ミッキー at 10:15| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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