『ハローグッバイ』菊地健雄監督/80分/7月15日より渋谷ユーロスペース他にて全国順次ロードショー公開(名古屋は8月5日より今池シネマテークで公開)
高校のクラスで委員長をしている優等生の葵(久保田紗友)は、両親が仕事で忙しくしており、寂しさを紛らわせるため万引きを繰り返していた。
一方、クラスの中でも派手で人気者のはづき(萩原みのり)は、元彼との交際で妊娠したのではないかと一人で悩んでいた。
同じ教室でもあまり接点のない二人だったが、そんな二人が偶然、ボケて徘徊している悦子おばあちゃん(もたいまさこ)に遭遇して…。
正反対の性格の二人がボケた老人を介して心を一つにしていくが、ことはそう簡単ではない。イケイケの女子高生と思っていたはづきが案外優しい面があったり、お金持ちで真面目一方の葵が万引き常習者だったりと驚きがいっぱい。
自分たちの家庭にお年寄りがいないので、どう接していいかわからないが、迷子の老女を見て見ないふりができたので協力することになった二人。老女も時と場合によって言うことが違うので困ってしまう。
80分とわりと短めの作品だが、今時のJKの行動、もたいおばあちゃんの生活環境も軽やかにそして丁寧に描かれている。
最後、分かれ道で「グッバイ」する場面がまぶしかった。
☆三人の歩き方に性格や精神状態が表れていて監督さんの演出が光る作品だった。