1630年のアメリカ・ニューイングランド。信仰心のあついキリスト教徒の一家が村外れの森の近くに移り住んでくる。そこは人里から離れていて、庭続きに大きな森が広がっている。
夫婦には5人の子がいて、長女、弟、双子の女の子、産まれたての赤ちゃんの7人家族で敬けんなキリスト教徒の一家。
ご主人のウィリアム(ラルフ・イネソン)は真っ正直な働き者、奥さんのキャサリン(ケイト・ディッキー)は子育てに追われているが長女のトマシン(アニヤ・テイラー=ジョイ)が、小さい子らをよく子守をしてくれる。
ある日、娘トマシンが「いないいないばあ」をして赤ちゃんをあやしていると3回目に突然いなくなってしまう。それだけではなく作物や動物にも異変が起きて……。
魔女ものだが、音の驚かせは無し。不気味さの中で「ひょっとしてトマシンは魔女か ? 」と疑う母親。父親は「そんな馬鹿な」とかばってくれる。
これは去年シドニーの映画館で観た作品で、まさかこれが日本公開になるとは思いもしなかった。そのわけは、本当に怖いのは人間だという静かで地味目の作品だったからだ。
家族だけの描写でほとんど村人は出てこない。音楽は静かなものだったが、三味線や笛がでてきたように感じた。
☆サンダンス映画祭で監督賞に輝いたホラー映画。新人の監督さん。この受賞で『吸血鬼ノスフェラトゥ』のリメイクの監督に大抜擢された。長女のトマシンを演じたアニヤ・テイラー=ジョイさんもこの映画の好演を認められて、今年5月に公開された『スプリット』の主役・女子高生ケイシーの役を射止めた。