自動車のディーラーとして働くジョンス(ハ・ジョンウ)は仕事も順調で、妻(ペ・ドゥナ)との仲もすごぶる良好だ。帰る途中にガソリンスタンドに入って3000円分のガソリンを入れてもらうはずが、耳の遠い店主の父親が満タン入れてしまった。仕方なくお金を払って出ようとすると、すまなく思ったおじいさんがお水のペットボトルを2本持ってきてくれた。
今日は娘の誕生日でケーキも買ってある。いい気分で車を走らせていたが、山中の長いトンネルに入ってすぐに上から砂や砂利が少しずつ落ちてきて、電気が消えて真っ暗になった。そして、突如、轟音が鳴り響いた。
ジョンスは車ごと生き埋めになってしばらく気を失っていた。目を覚ましたジョンスが見たものは巨大なコンクリートの残骸だらけになったトンネル内部だった。
手元にあるのは携帯電話とさっきもらったペットボトル2本。そして娘への誕生日ケーキだけ。現場に駆けつけた救助隊の隊長のキム(オ・ダルス)の口から、救出に何日かかるかわからないと言われて……。
これはDVDを配給さんからお借りしたもので、このところの忙しさに紛れていて、やっと今日見ることができた。始めの20分ぐらいで、急に携帯やiPadの電源を100パーセント近くにしなければと心配になって、途中で止めてコンセントにさした。家にいてもいつ大地震が起こるかわからないと咄嗟に思ったのだ。
ジョンスさんはトンネル内部の事故なんて思いもよらなかっただろうが、お水とケーキで少しは助かった。この映画を観たら、車には非常袋や水は絶対用意するべきだと思うはずだ。
救助活動が思うようにいかない様子はセフォル号を、マスコミの傍若無人ぶりは『テロ・ライブ』を思い出させる展開で、今の韓国社会を厳しく描いているが、辛くて暗いばかりの映画にはなっていない。
韓国で大ヒットした理由は有名俳優さんの魅力と底力に寄るところが大きい。