初めて二階建ての高速バスで、いつもより目線が約80センチほど高い。その高さの変化でこんなにも「見える景色」が違うのか驚いている。
今回の上京は編集もさることながら、シドニーの娘がカナダ・バンクーバーに行く途中乗り換えのために2日半、東京に滞在した。だから東中野の娘を交えて「濃密」な時間を過ごした。
濃密だからか、イライラや喧嘩をいつもよりたくさんした。限られた時間であれもこれもと気持ちが焦って疲れきってしまった。まあ、元気で旅立っていったから良かったが、この「限られた濃密な時」は、ミッキーの死に際にも来るように思う。
その時、娘たちはイライラして喧嘩をしだすのだろうか ……そんな取り留めのないことを考えながらバスからの景色を眺めている。
🎬『レイルロード・タイガー』ディン・シェン監督/中国/124分/6月16日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて全国ロードショー公開
鉄道で働くマー・ユェン(ジャッキー・チェン)と仲間たちは、列車にしのびこんでは日本軍の物資を盗んでいたので、日本軍から目をつけられていて「レイルロード・タイガーズ」と呼ばれていた。
日本軍に追われいた負傷兵ダーグォー(ワン・ダールー)は「日本軍の物資を運ぶ列車を橋のところで爆破させる計画」をやり遂げたいと言ひ残して亡くなってしまったが、その意志の強さに打たれたマーたちは彼の思いを遂げようとする。しかし、鉄道に詳しいとはいえ普通の男たち。そんな大ごとができるのだろうか。
今、東京ではサモ・ハン監督・主演の『おじいちゃんはデブゴン』がかかっている。原題は『The Bodyguard /我的特工爺爺』で去年、シドニーの映画館でやっていた。
サモ・ハンが演じるのは、退役軍人で過去に何か辛いことがあったようだが、今は気ままな一人暮らし。ご近所さんとも仲よく、特に隣の女の子とは気があって、よくおしゃべりしていた。
そんなある日、その少女の父親(アンディ・ラウ ❗️)が関与していた国際的な犯罪組織のいざこざからいなくなってしまい、少女の身を心配して面倒を見ながら、彼も戦うのだった。
メタボの身体つきでも、いざ、戦うときは颯爽としていて切れ味がよかった。普通の時は柔和でちょっとぼんやりした感じが、戦うときはキリリとした口元と目力が魅了的だった。
そして、アクションといえば同じ中国のジャッキー・チェン。彼もいつもは普通のちょい悪オヤジだが、一致協力して日本軍と戦うのだ。
日本人の憲兵隊長ヤマグチ(池内博之)のやることの裏をかくわけだが、役者としての池内博之さんを見直した。しっかり腹から声が出ていて目力も申し分ない。
日本人がやられて「悔しい」という感情は出てこなかったのはどうしてだろうか……あまりにもテンポが良かったからか、ジャッキー・チェンさんにならやられてもいいやと、ミッキーが勝手に思ったのかわからないが、とにかく試写室の空気はとっても明るかった。
名古屋地区は『おじいちゃんはデブゴン』が6月24日、このジャッキー・チェンの方が先に公開されるが、名古屋の暑さを乗り切るためのスタミナをつけるにはちょうどいい中国映画の二本だ。