🎬『ラテン・ラバー』クリスティーナ・コメンティーニ監督/イタリア、フランス/日本初上映
イタリア映画界の伝説的大俳優サヴェリオ・クリスポの没後十年に、彼の生まれた地ブーリア州に彼の記念のレリーフの除幕式が行われることになった。
その式典と十回忌のために、彼の生家に未亡人2人、腹違いの娘4人、彼女たちの連れ合いや子どもたちが集まった。
派手な女性関係で有名だった彼の思い出を語るうち予想外の事実が露わになって…。
女性監督クリスティーナ・コメンティーニさんは『心のおもむくままに』『心の中の獣』の方で、お父様は『ブーベの恋人』などで有名なルイジ・コメンチーニ監督 。
広い山荘に集まった女たちは始めこそよそよそしく儀礼的な挨拶だったが、ワインを飲み交わし昔の思い出など語るうちにあけすけな話も出てきて、笑ったり、頷いたりしながら彼女たちの会話に入れて貰った…、そんな雰囲気な作品だった。
ゴールデンウィーク恒例のイタリア映画祭には女性監督作品がなかったのでここで観られて本当に良かった。
🎬『アラスカ』クラウディオ・クッペリーニ監督/イタリア、フランス/日本初上映
パリの5つ星ホテルで働く男・ファウスト(エリオ・ジェルマーノ)はホテル屋上の喫煙場所でモデルのオーディションを受けに来ていたナディン(アストリッド・ペルジュ=フリスベ)と出会う。
ひと目でナディンを気に入ったファウストはホテルでも最高の部屋を見せようとお客様がいない部屋に得意気に案内していた時、帰って来ないと思っていたお客様が突然入ってきて、騒動になった。
その時の乱暴がもとで2年間刑務所に入るはめになったファウスト。責任を感じたナディンは出所の時に必ず向かえに行くと約束する。
題名のアラスカは地名ではなくお店の名前で、前の『ラテン・ラバー』とはうって変わり深刻な作品だった。でもミッキーはこちらの厳しく現実的な作品が好みだ。
ファウストが刑務所に入っている間、モデルとして生活できるまでに頑張っていたナディン。2人は一緒に住み始めるがいい時は長続きしない。
経済的なことが中心で仲が悪くなるが、そんなことは誰の身の上に起きても不思議ではない。ファウストとナディンの力関係もいろんなことで変化がある。それも私たちの身にいつ起きても不思議じゃない。
厳しい現実を突きつけられる内容だったが、観終わった後、2人の幸せを祈らずにはいられなかった。