🎬『LOGAN/ローガン』ジェームズ・マンゴールド監督/アメリカ/138分
2029年。超金属の爪と超人的な治癒能力を持つ不老不死のヒーロー・ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)は今では疲れ果てて、あちこちに傷が残っている有様だ。今は生活のためにリムジンで送迎の仕事をしている。
住んでいるところはメキシコ国境近くの荒れた工場で、90歳の衰弱したチャールズ(パトリック・スチュワート)と、太陽光の下では生きられない持病を持つキャリバン(スティーブン・マーチャント)と3人でどうにか暮らしていた。
そんなある日、ローガンは看護師ガブリエラ(エリザベス・ロドリゲス)から、少女ローラ(ダフネ・キーン)をノースダコタまで送り届けてほしいと大金を積まれて懇願されるが…。
体力も無くなり能力も衰えたといっても、怒りにかられるとバキバキっと爪が伸びるのはミュータントの宿命。機能を少しでも維持するため注射や薬に頼る生活に暗い気持ちになった。ミュータントの世界ではなくて、人間の世界そっくりだ。
そこに登場する特異なミュータント少女。その先に希望はあるかと最後まで引っ張っていってくれたが……。少女ローラ以外の少年少女の役者の魅力が乏しいのが気になった。
🎬『テキールの奇跡』ルクサンドラ・ゼニデ監督/ルーマニア、スイス/2015年/ 日本初上映
湿原が広がる黒海流域ドナウデルタ。ここに住む30歳のマラが妊娠した。彼女は土地の沼地の黒い泥を用いて病気を治す力を持った女で、男と交わらずに妊娠したと言い張るのだった。
当然の如く村中から白い目で見られ、漁師たちは不漁なのは「彼女の呪いではないか」とまで言われる。
親切な村の神父のすすめで当分の間、村を離れたほうが良いと言われ、少し離れた村の療養所を紹介されて働きに行くが…。
陰鬱な作品だったが、どう話が進むのか予測不可能で、疲れていたが💤はなし。
療養所の患者で不妊の婦人に気に入られる。「私の言うとおりにすれば子供はできる、あなたの体は子供ができる体だが体内にトゲがある」などと無表情で伝える彼女に、信頼とは裏腹に怖れも抱くようになる婦人。
半分以上観ていて、突然神父さんの台詞の中に「何かあったら携帯に電話してくれ」と言う。それまで携帯電話なんかない時代の映画と思い込んで観ていたミッキーはびっくり!
荒涼とした土地、あばら家、ジプシーの老婆など時代は今から40年くらい前だとばかり思って観ていた。
ルーマニア映画の『4ヶ月、3週と2日』『私の、息子』『エリザのために』などの名作と比べてはいけないとは思うが、曖昧なことがたくさんありすぎて映画の中で迷子になってしまった。
☆京橋のフィルムセンターの会場で、ルーマニアのお水をいただいた。プレゼントがあるなんて、やっぱり来て良かった。