はじめは「村」だけと思ったがブログを読んでくれている試写室お兄さまが「島」も持って来てくださった。評を読むと「島」は散々だったがミッキーはツボにはまった!
まず「村」から
🎬「変態村」ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督/フランス・ベルギー・ルクセンブルク/2004年
マルク(ローラン・リュカ)は女装して唄う旅回りの歌手。老人養護施設や小さな劇場で歌っている。今日も自分の車に衣装など積んで、とある老人施設で歌って拍手喝さいを受けていて、いつも彼の来るのを待っている老婆や施設の女が意味ありげにマルクに言い寄ってくるが、そんなのはいつものことと言うように冷たくあしらうマルク。
次の目的地、三日後のクリスマス・ショーの場所に行くために車を走らせていたが濃霧で道に迷ってしまう。車の調子も悪くなったのでそこに車を置いて、一軒のボロイ宿に泊めて貰うことにした。
案内してくれたのは、森の中で愛犬ベラを探している若い男ボリス(ジャン=リュック・クシャール)。宿の主の中年男性・バルテル(ジャッキー・ベロワイエ)は無口な男だが、部屋はきっちり掃除が行き届いていた。それに朝起きると宿の所まで車をレッカーで運んでくれていた。
「午前中に直しておいてやるから、散歩でもしていな。だが森の村には絶対近づくなよ」と念を押されたが、マルクは見てしまった。動物を相手に○ックスする男たちを…。
慌てて宿に戻って見るとバルテルに「見たな」と感づかれてしまう。「車はオレの手にはおえないから、明日修理工が来るようにいってあるから今日も泊まっていけ」とその夜もそこに泊まることにした。
変態の名に相応しい作品。公開時に観ていたが、見直したDVDにものめり込んで見入ってしまった。映画の冒頭の老人施設でマルクが歌っているが、そう上手いとは思わなかったが、宿の主人に無理矢理歌わされた時は、かすれ声だったが数段と上手くなっていた。
変態妄想のツボがきっちり描かれていて➕大袈裟かもしれないが「芸術的」でもあった。
近くのDVD屋には最初なかったが「変態村ありますか」と言うにはちょっと勇気がいったが……、是非この手のお好きな方はご覧いただきたい。
次は「島」
🎬「変態島」ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督/フランス、ベルギー、イギリス、オーストラリア/2008年
ポールとジャンヌ(ルーファス・シーウェルとエマニュエル・ベアール)は半年前に起きたスマトラ沖地震の津波で幼い一人息子・ジョシュアが行方不明になってしまった。
二人はプーケットでスマトラ沖地震で親を亡くした子供を助けるための慈善活動をしていて、その会合で見たビデオに息子のジョシュアを発見したジャンヌは狂喜するが、夫は後ろ姿だけで判断できないと否定的だった。
隠し撮りされたビデオに映っていた島は、密かに人身売買をしているところで人を寄せ付けない島だと言われたが、島に詳しいタクシンという人物に会って、その島を案内してもらうが……。
原題はVINYANで、意味はタイ語で「怒る魂」。変態島なんてとんでもない邦題だ。
エマニュエル・ベアールさん扮する息子を探し出すためならお金に糸目をつけない必死な母親と、事あるごとにお金を要求する土地の男たち。島に大勢いる子らは顔を白く塗って大人たちのやることをじっと見つめている。
子どもたちはこの世に未練を残し癒されていない魂を持った少年たちで(女の子はいなかった)子を売り買いする大人を警戒するが、ジャンヌには気を許しているようだ。
夫婦は無一文になってその島から帰れなくなってしまうが、あっちの世界とこっちの世界でどんだけの隔たりがあるのか誰にもわからないことだが、子どもらに囲まれたジャンヌは幸せそうだった。