病身の母親(フェリシティ・ジョーンズ)と墓地が見える家に住む13歳の孤独な少年コナー(ルイス・マクドゥーガル)は、毎晩決まった時間に悪夢を見てうなされていた。
ある夜、コナーの寝室の窓の外に怪物がやってきた。顔も体も木で出来た不気味な大男(声:リーアム・ニーソン)が話しかけてくる。どうも、裏庭にあるイチイの木が住処で、夜中の決まった時間に現れ「3つの物語を聞かせるから、お前は4つ目の物語を話せ」と命令する。
図書館協会から贈られる児童文学賞・カーネギー賞とケイト・グリーナウェイ賞をW受賞したパトリック・ネスの小説を映画化したファンタジー。
監督さんは『永遠のこどもたち』『インポッシブル』の方。
ファンタジーと聞けばファミリー向けの楽しい夢物語を想い描くが、この映画はちょっと違う。孤独な少年の心の闇に迫るので画面の色調は暗い。
少年役の男の子が、お顔のバランスが子どもから少年の狭間で不安定な影があって、それがこの作品をより深めているように感じた。この少年の見るファンタジーの世界と少年を取り巻く現実の世界の織り混ぜ方がいい。
現実の苦しみは何かに没頭すればいっとき忘れることができるが、寝て見る夢は自分の意志では何ともならない。夢の奥深くにたまり込んでいる「口に出していけない」言葉を知ったとき切なくなった。
この作品は是非とも大画面でご覧いただきたい。
☆娘の病気を心配したり、反抗心の強い孫(少年)に手を焼いたりする、いつもと違う? シガニー・ウィーバーに出会えて😄嬉しかった。