2017年05月15日

見知らぬ街に行ってみた。『バンコクナイツ』『人生タクシー』

🎬『バンコクナイツ』富田克也監督/182分/今池シネマテークにて

5年前、タイの田舎から日本人専門の歓楽街に働きに来た若い娘・ラック(スペンジャ・ポンコン)は、そこで元自衛隊の男性オザワ(富田克也)と親しくなったが、ふいに彼は日本に帰ってしまった。

今ではナンバーワンの売れっ子になったラックの前に再びオザワが現れた。彼は日本を捨ててバンコクでぶらぶらとその日暮らしをしていた。

そんなオザワに日本企業から不動産投資の調査の仕事が舞い込み、ラックと共に彼女の故郷・タイ東北部のイサーンにある実家に行く。

『国道20号線』『サウダーチ』の監督さんの新作。3時間という長丁場だが、タイの繁華街に身をおいているような感覚になった。

酒の匂いや女体の艶かしさが漂う中で、気力を失った日本人、そして奇妙な日本企業の思惑(タイに日本の金持ちが住む豪華ケアハウスを作り、好みの女性に世話をさせる)が絡み合って展開するが、時間の流れがうんと遅くなっているようだった。ここでは固い約束をする人も時間にあくせくする人もいない。

イサーンの森の闇に出現する聖人と字幕の方言が笑いを誘っていた。

🎬『人生タクシー』ジャファル・パナヒ監督/イラン/82分/今池シネマテークにて

ここはテヘランの街。パナヒ監督自身がタクシー運転手になって道路脇で手を上げるお客さんを乗せて行く。方向があえば同乗して貰う。ダッシュボードにはカメラが設置されていてお客の様子や会話が撮られている。

映画の冒頭で数分、テヘランの整然とした街角と、そこを行き交う人々が映し出される。ほとんどが黒一色の洋服で沈んだ雰囲気だ。だが、乗り込んで来るお客に一人として沈んだ方はいなかった。

死刑制度を口論する強盗と女教師、パナヒ監督と組んで商売しているんだと顧客にとっさに嘘をつく海賊版の配達レンタルビデオの男、交通事故にあって血だらけの夫に遺言を録音させる妻、金魚鉢を大切そうに持った二人の老婆、監督の友人の女弁護士……。

個性豊かなと言えば聞こえはいいが、ミッキーに言わせりゃ「クドイ」「自己主張が強い」だ。だがただ一人、感じるところがあって「沈黙しよう」と決めた男がいた。この男が一番心に残った。
posted by ミッキー at 20:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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