1980年代、史上最大規模の犯罪帝国を築いたコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバル。当時アメリカに入ってくるドラッグの8割以上が彼の組織からのものと言われていた。
危機感を抱いたアメリカ政府は、エスコバル帝国を崩壊させるために5年間以上にわたって潜入捜査を計画した。
ベテラン捜査官のロバート・メイザー(ブライアン・クランストン)を大富豪に仕立てて、その財力で組織に取り入って内部にくい込ませるが……。
今日も初日・初回でバッチリ堪能した。昨日公開の『スプリット』より入りが良かった。やはり事実に基づく作品の強みだろうか。ほとんど男性だった。
この監督さんは『リンカーン弁護士』の方。主演はご存知「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストンさん。合法ドラッグ作りの高校教師からドラッグ巣窟の潜入捜査官だ。
メイザー捜査官には妻子がいるが、名前も素性も身分証明書も作り直されて、自分の婚約者に扮した機転のきく美しい女性捜査官(ダイアン・クルーガー)と共に、エスコバルの側近・アルケイノ夫妻と親しくお付き合いをする間柄になっていく。
この時代、今のように通信機器などが発達していなかったが、ハラハラするほど、一味と捜査官仲間の距離が近いので驚いた。
エスコバルといえば去年公開のアンドレア・ディ・ステファノ監督『エスコバル/楽園の掟』だ。内容は
サーファーのカナダ人青年ニック(ジョシュ・ハッチャーソン)は、兄の住むコロンビアを訪れた。そこはサーファーにとっていい波がたつ海辺が目の前にあって、楽園のような場所だ。その浜辺でニックは美しいコロンビア人女性マリア(クラウディア・トレイザック)と知り合い恋に落ちる。
マリアの叔父パブロ・エスコバル(ベニチオ・デル・トロ)は国会議員で、民衆からの人気もあるが、コロンビア最大の麻薬組織のボスという裏の顔を持っていた。
このエスコバルは1989年には世界第7番目のお金持ちと認定されている。政界はもちろん、警察、軍隊も思いのままで、追い詰められて逮捕になっても条件付きで特別刑務所を自前で建築して、そこに収監されていたそうだ。
『潜入者』の画面にもエスコバルが一瞬出てきたらしいがミッキーにはわからなかった。とにかく身内や味方には優しく、敵対者には容赦ないエスコバル。もし潜入者とばれれば自分だけではなく、家族に及ぶ「死」に、ずっとハラハラして観入ったが、最後の字幕で原作者・ロバート・メイザー一家が無事で暮らしていると知って胸をなぜおろした。