2017年05月06日

イタリア映画祭(7)『いつだってやめられる』『いつだってやめられる ーマスタークラス』

🎬『いつだってやめられる』シドニー・シビリア監督/100分/2014年

もうすぐ四十歳になる神経生物学者のピエトロ・ジンニ(エドアルド・レオ)は、画期的な薬剤の開発をするが、誰にも理解されず研究費も打ち切られてしまう。追いうちをかけるように大学のポストも無くなる。

同居の恋人ジュリア(ヴァレリア・ソラリーノ)には失職したことは言えなかった。苦肉の策で彼のように才能はあるが不運な研究仲間と、違法薬物に指定されていない新ドラッグを開発することになる。それは特上のドラッグで、瞬く間に大金が入るが…。


イタリア版「ブレイキング・バッド」だ。アメリカ作品では、高校の理科教師と生徒が組んで新ドラッグを作るが、この作品では不遇な研究者たちが作っている。皿洗いする科学者、賭け事好きな経済学者の面々だ。

早い展開、それもドタバタで「え? こんなことになっちゃって…」と心配させるシーンはあったが、高学歴でも思うような地位や職に就けないのは世界共通のこと。身につまされた。

1981年生まれの新星、シビリア監督の長編デビュー作。イタリアのゴールデン・グローブ賞で最優秀コメディー賞を受賞。

🎬『いつだってやめられる ーマスタークラス』シドニー・シビリア監督/日本初上映

『いつだってやめられる』の合法のドラッグで、ひとり罪をかぶり刑務所生活を送る神経生物学者のピエトロ(エドアルド・レオ)は、恋人ジュリアが妊娠中で面会のたびに育児権を放棄してほしいと迫られていた。

そんな時に女警部パオラ(グルタ・スカラーノ)から街中に蔓延する合法ドラッグを根絶するために協力してほしいと頼まれる。

そこに、ドラッグをやめられず交通事故を起こして逮捕されたアルベルト(ステファノ・フレージ)も加わり、その話に飛び付く。

条件は「30以上の合法ドラッグを見つけて分析してほしい。そのかわり無罪放免」ということだった。

自分たち2人ではできないから仲間を集めにいきたいと昔の仲間のいる外国にまで行ってグループを結成するが……。

イタリア映画祭のクロージング作品。

前作に続いて素人ギャングたちがまたもや登場。だが、今度は悪事とは違う。合法ドラッグを見つけて分析して、その薬品を警察が「非合法」にして合法ドラッグを作れなくしようと躍起になっていて、彼らの力を借りに来たのだ。

前作から比べるとスケールが大きくなっていて、これだけでも楽しめる作品になっている。特に列車シーンはCGなし、スタントマンなしで撮影が行われたと聞いたが、ハラハラドキドキさせてもらった。

そして、意外な結末……続々編が出るようだ。彼らの平穏な日々はまだ先のようだ。
posted by ミッキー at 09:56| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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