2017年05月03日

イタリア映画祭(4)『幸せな時はもうすぐやって来る』『切り離せないふたり』

🎬『幸せな時はもうすぐやって来る』アレッサンドロ・コモディン監督/100分/日本初上映

暗い森の奥深い場所で、青年二人、トンマーゾ(エリカス・シゾノヴァス)とアルトゥーロ(ルカ・ベルナルディ)は喧嘩しながらも野宿して暮らしている。

簡単な仕掛けをして小動物を捕り、何とか生きていた。ある日、銃声が聞こえたので音のした方向に行ってみると、一軒のあばら家の前で男が死んでいた。二人はその小屋から銃と食料を盗み、森に帰ったが、突然現れた男たちに撃たれ死んでしまう。

話変わって、現代の北イタリアの山奥の村で語り継がれている話。

40年ごとに白い雌鹿が生まれ、狼はその白鹿とつがいになりたいが、それが叶わない時には人間の美しい娘を探す…という伝説があった。.今もディーノの娘・アリアンが森で狼と暮らしていると噂されている。


不思議な作品だった。ずっと「先が読める」作品が続いたので、ミッキーは新鮮に感じた。美しい女と狼の話ならドイツ映画ニコレッテ・クレビッツ監督作品『ワイルドわたしの中の野獣』がある。

『ワイルド〜』は、ミッキーにとってかなり忘れがたい作品で自然に回帰する本能と性的な荒々しさに目を奪われた。その点、この『幸せな時〜』は荒々しさは皆無で、詩的雰囲気の中で非常に静かに人間と狼の交わりを映し出していた。

🎬『切り離せないふたり』エドアルド・デ・アンジェリス監督/104分/日本初上映

18歳の結合性双生児の美しい姉妹デジーとヴィオラ(マリアンナ・フォンターナ、アンジェラ・フォンターナ)は、美しい歌声でパーティーや結婚式などで歌っている。父親がマネージャー、母親は二人の世話、親戚の男性が運転手で、一家の生計は二人の肩にのしかかっていた。

ショーを見た医師から「手術すればひとりひとりになれるはずだ。無料で診察してあげる」と言われた。彼女たちはこのことがきっかけとなって周りの反対を押し切って家出をするが……。


物語として興味をひく作品だったが、もし現実に結合双生児が生まれたら、どんな境遇の親でも、切り離せるか、それが出来ないかを医者の判断を仰ぐと思う。この両親は手術できるとわかっていて見世物のように歌わせて、と、睨んだが違うだろうか。

彼女らが家出をして「手術代のお金を貸してください。それから私たちは一生懸命歌ってお金を返します」と言って、いつも教会行事で歌うところの神父さんや、もっと稼がせてあげるからとスカウトされた興行主に頼みにいくが、答えはもちろん「NO」。18歳の彼女たちの無知さもいただけない。

同じ結合双生児の映画で思い出すのは『ツイン・ホールズ・アイダホ』。主演はマイケルとマークのポーリッシュ兄弟。ふたりは実際に双子だが、このフォンターナ姉妹も双子で演じている。美しく、歌も上手い。
posted by ミッキー at 14:51| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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