2017年05月02日

イタリア映画祭(3)『花咲く恋』

🎬『花咲く恋』 クラウディオ・ジョヴァンネージ監督/109分/日本初上映

17歳の少女ダフネ(ダフネ・ボノーリ)は、通行人を脅して携帯を強奪しては、それを売って小銭を稼いでいたが、とうとう警察に捕まり少年刑務所に入れられた。

収容先でダフネは医務室で会った青年ジョシュ(ジョシュア・アルジェリ)に一目で好意を持った。

勝気なダフネは仲間との喧嘩などで懲罰房に入るが、その屋上でジョシュと窓越しで短い会話が出来た。そして、給食配膳のドラム缶に手紙を忍ばせて文通もするようになった。

ジョシュには外に恋人がいたが、ダフネの存在で辛い刑務所生活に明かりがついたように感じていた。


イタリアの少年院は男女が 同じ場所にあって、棟が違う作りになっている。顔を合わせるのは給食用のロッカーと医務室と、懲罰房の屋上が男子棟に一番近いという、実際の少年刑務所で撮影されている。

二人の家庭環境も台詞や映像でわかる。ジョシュはお金持ちだが母親が甘く、ダフネは父親も刑務所暮らしから条件付きで(夜9時から翌朝まで外出できない)釈放されている身。父親には子連れの愛人もいて複雑だがダフネに無関心ではない。面会には新しい家族と共にやってくる。

後1年の刑期がのこっているが、条件付きで外に出られるダフネの願いは聞き入れられないが、愛人の子供の洗礼式に招かれたので大喜び。たった48時間の外出だったが、彼女にとって自由な生活への渇望に歯止めがきかなくなってしまう。

結末は若いダフネの将来がどんなものになるかと気持ちが沈んでしまった。

☆目元が涼やかな青年ジョシュ(ジョシュア・アルジェリ)は監督さんと少年刑務所で出会い、初めての映画出演を果たしたが、この3月に自動車事故で亡くなったと記してあった。
posted by ミッキー at 18:43| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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