架空の街「アンナム市」の刑事ハン・ドギョン(チョン・ウソン)は、病弱で入院中の妻の治療費のために、腹黒い市長のパク・ソンべ(ファン・ジョンミン)の悪事を、まるで手下のようにお金をもらって後始末をしていた。
そんなドギョンの弱点を知った検事キム・チャイン(クァク・ドウォン)と検察捜査官ド・チャンハク(チョン・マンシク)は、パク・ソンべ市長の不正と犯罪を明らかにしようとドギュンを追い詰めていた。
ドギュンは慕ってくれている部下の刑事ムン・ソンモ(チュ・ジフン)を巻き込んで、自分のかわりにパク・ソンべ市長の手下にしてしまうが…。
CGもスタントマンも使っていないで出来る最高の域の作品。カーアクションも現実的だからハラハラさせてくれた。
日頃、善人役が多いファン・ジョンミンさんが極悪人の市長をやる。裏では人殺し、表は貧しい民の見方というわけだ。お顔は笑っていても目が笑っていない冷徹さが半端ではない。悪役も見事にやっていた。
美男スターのチョン・ウソンもチュ・ジフンもこんな激しい役は珍しい。先日観た『吠声/コクソン』同様、キムチパワーが漲っていた。
🎬『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』マイケル・アルメレイダ監督/アメリカ/今池シネマテークにて
1961年。ナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺の中心的指導者だったアドルフ・アイヒマンの裁判が行われたが、非人道的な行為のイメージからかけ離れた平凡で小市民的な実像が浮かび上がった。
同じ年の8月、米イェール大学の心理学者スタンレー・ミルグラム(ピーター・サースガード)は、ホロコーストが起きたメカニズムを解明しようと、電気ショックを用いた実験を開始した。
新聞広告で20〜50歳の男性を有料で募集。見知らぬ者同士を2人1組で「先生と生徒」にして問題を出して間違えば電圧を上げていくという実験だ。
この映画を観てすぐに思い出したのが
『 es [エス] 』1971年にアメリカのスタンフォード大学で実際に行われた「看守役と囚人役」の実験を基にしたドイツ映画。
そして『THE WAVE ウェイヴ』これもドイツ映画で独裁政治を学ぶ「体験授業」をきっかけに洗脳されていく高校生たちの姿を描いたものだ。
ミルグラム博士のことも調べたが心理学界では有名な方で、知らなかったのが😰恥ずかしい。実験のやり方は巧妙でよく考えられた仕組みになっていた。これはほとんど室内のみの映像なので公開が終わってDVDでも十分に「人間は弱い存在である」ことを自覚させられる作品。