2017年03月25日

「イタリア映画祭2017」のお知らせ

今日、25日にゴールデン・ウィーク恒例の「イタリア映画祭2017」の前売り券が発売された。朝10時の一番でコンビニで8枚買った。シニアは1350円で手数料がつかないので助かる。

2001年に始まったイタリア映画祭も17回目。毎年ゴールデンウィーク恒例のイベントだ。ミッキーは居ながらにしてイタリアに旅する気持ちで毎年楽しみにしている。

今回は日本未公開の新作15本と、過去の映画祭で人気が高かった作品5本をアンコール上映する。

※大阪の情報はまだ出ていない。ちょうど中間の地域の浜松くらいの方はどちらにするか、何を上映するかわからないので、こまっているだろうなぁ。http://www.asahi.com/italia/2017/

◆『告解』ロベルト・アンドー監督/100分/日本初上映
『ローマに消えた男』に続いてアンドー監督が名優トニ・セルヴィッロを再び主演に迎えたミステリアスなドラマ。ダニエル・オートゥイユ、コニー・ニールセン、マリ=ジョゼ・クローズ、モーリッツ・ブライプトロイら国際色に富んだ豪華な面々が脇を固める。G8の財務相会合が行われているホテルである朝、国際通貨基金の重要人物が亡くなっているのが発見される。その前夜に、修道士と密会していたことが明らかになるが、修道士はその内容について沈黙を守り続ける

◆『花咲く恋』クラウディオ・ジョヴァンネージ監督/109分/日本初上映
1978年生まれのジョヴァンネージ監督の3作目は、刑務所を舞台にした若者のラブストーリー。17歳の少女ダフネは、スマートフォンを強盗しては小銭を稼いでいたが、とうとう警察に捕まり、刑務所に収容される。男女別々に収容された刑務所で、ダフネは偶然知り合ったジョシュに初めて恋心を抱き、鉄格子越しの恋が始まる。ヴァレリオ・マスタンドレアなど数人を除いては、多くの素人俳優を起用してリアリティーを追求した本作は、カンヌ国際映画祭の監督週間に出品されて好評を博した。

◆『幸せな時はもうすぐやって来る』アレッサンドロ・コモディン監督/100分/日本初上映
1982年生まれの新鋭コモディン監督の劇映画デビュー作は、カンヌ国際映画祭の批評家週間で特別上映された衝撃作。何かから逃げるかのように森の奥深くに分け入るトンマーゾとアルトゥーロは、飢えをしのぐために食べ物を探し求める。時代は変わって数十年後。白い雌鹿に求愛するが、逃げられて怒りに狂う狼の伝説が流布しているにもかかわらず、若い女性が森に入っていく。謎めいたストーリーを軸に光と闇が交錯する自然の中、研ぎ澄まされた映像と音響で人間の営みがとらえられる。

◆『かけがえのない数日』ジュゼッペ・ピッチョーニ監督/120分/日本初上映
『ローマの教室で〜我らの佳き日々〜』『もうひとつの世界』などで心の機微を絶妙にすくい取る腕前を披露したピッチョーニ監督の新作は、仲良し女子4人組の数日のロードムービー。カテリーナがセルビア・ベオグラードのホテルで働くことになり、リリアーナ、アンナ、アンジェラも車で同行する。その旅路での新たな出会いやそれぞれが抱える問題が、4人の友情を時には壊し、時には強固にする。ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作品。

◆『切り離せないふたり』エドアルド・デ・アンジェリス監督/104分/日本初上映
1978年生まれのデ・アンジェリス監督の3作目。18歳になろうとしている結合性双生児の姉妹デジーとヴィオラは、美しい歌声で息の合った歌を結婚式などで披露して、家族のために生計を立てていた。けれども、ショーを見た医師から手術によって二人は別々になれると言われ、安定していた関係が揺らぎ始める。主人公の設定は大胆だが、ストーリーの根底にあるテーマは普遍的な本作は、ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門に出品され、Pasinetti Prize最優秀作品賞を受賞した。

◆『ピューマ』ロアン・ジョンソン監督/98分/日本初上映
ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選ばれたロアン・ジョンソン監督の第3作は、予期せぬ事態に右往左往しながらも奮闘するティーンエージャーが主人公の喜劇。フェッロとカテは、他の同世代とたいした違いはない普通の18歳のカップルだった。だが高校卒業を間近に控えた矢先に、妊娠が発覚。産むことを決意する二人だが、それぞれの両親の生活環境や考えの違いをはじめ、問題は山積。はたして嵐のような9カ月間を二人は無事、乗り越えられるだろうか?

◆『ジュリアの世界』マルコ・ダニエリ監督/104分/日本初上映
ダニエリ監督のデビュー作は、全く異なる世界に生きる男女のラブストーリー。厳しい戒律を持つ宗教を信仰する家庭に育った高校生のジュリアは、布教活動中に刑務所から出所したばかりのリベロに出会う。立ち直らせるために仕事を提供したことをきっかけに、確固としたジュリアの世界が揺らぎ始める。本作はヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門に出品され、主演のサラ・セッラヨッコとミケーレ・リオンディーノにPasinetti Prize最優秀女優賞・男優賞がそれぞれ授与された。

◆『愛のために戦地へ』ピエルフランチェスコ・ディリベルト監督/99分/日本初上映
デビュー作『マフィアは夏にしか殺らない』が興行、批評の両面で成功を収めたディリベルト監督の2作目は、史実やアイロニーが絶妙に盛り込まれたロマンチック・コメディー。戦時中の1943年、ニューヨーク。レストランで働くシチリア移民のアルトゥーロは、オーナーの姪フローラと相思相愛だが、フローラには許婚がいた。アルトゥーロは、シチリアに住むフローラの父から結婚の賛成を得るために米軍に入隊。シチリアに赴任するが、のさばっているマフィアから命を狙われることになる。

◆『どうってことないさ』エドアルド・レオ 監督/105分/日本初上映
ヒット作への出演が相次ぐスター俳優の一方で、『俺たちとジュリア』など監督としても活躍するエドアルド・レオが主演も兼ねる喜劇。旬な仕組みを題材にしたエンターテインメントで、ネット世界や社会問題への考察も巧みに盛り込まれている。フリーランスのクラウディオは、新ビジネスのためにクラウドファンディングで資金を調達しようとするが集まらない。ある夜、酔っ払ったクラウディオと妻アンナは、資金が集まったら二人のセックス動画をネット上で公開すると約束してしまう。

◆『いつだってやめられる−マスタークラス』シドニー・シビリア監督/日本初上映
イタリア版『ブレイキング・バッド』とも称された前作『いつだってやめられる』がスマッシュヒット。それを受けて、物語もアクションシーンもスケールアップした続編が作られ、またもやヒット。前作に続いて素人ギャングだった7人が登場。前作では警察から追われる立場だったが、今度は警部から新しいドラッグの蔓延を防ぐよう秘密裏に要請される。困難なミッションを遂行するために、教会法、解剖学、メカトロニクスの専門家も加えた10人の集団で、新たな敵に立ち向かう。

◆『君が望むものはすべて』フランチェスコ・ブルーニ監督/101分/日本初上映
パオロ・ヴィルズィ監督作品などで脚本家として活躍しつつ、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞を受賞した『ブルーノのしあわせガイド』で監督デビューを飾ったブルーニの3作目。オフビートなノリを基調にユーモアで包みながら、青年と老人の心の交流を温かく描く。アレッサンドロはローマ・トラステヴェレ生まれの22歳。仲間とつるんで無為な日々を過ごしていた。ひょんなことから85歳になる詩人ジョルジョを散歩に連れ出す仕事をすることになり、それが青年の人生を変えていく。

◆『スイート・ドリームス(仮題)』マルコ・ベロッキオ監督/130分/7月、ユーロスペースほか全国順次公開。
2016年カンヌ国際映画祭監督週間のオープニングを飾った巨匠マルコ・ベロッキオの最新作。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞受賞俳優ヴァレリオ・マスタンドレアと『アーティスト』のベレニス・ベジョ共演で送る、母を失った男の魂の喪失と再生の物語。9歳で母を亡くしたマッシモはその事実を受け入れられないまま成長し、大人になっても苦しみ続けていたが、女医エリーザとの出会いをきっかけに自らの少年時代と向き合っていく。

特別上映作品
◆『歓びのトスカーナ』パオロ・ヴィルズィ監督/116分/今夏、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開。
ドナテッロ賞7冠『人間の値打ち』に続き、再びヴァレリア・ブルー二・テデスキとタッグを組んだ名匠ヴィルズィ監督作品。虚言癖でおしゃべりな自称・伯爵夫人ベアトリーチェと、自分の殻に閉じこもった全身タトゥーの女ドナテッラ。トスカーナの診療施設から脱走を図った正反対の二人は、破天荒な逃避行を繰り広げるなか、いつしか掛け替えのない絆で結ばれていく。悲しくも可笑しい女たちの姿に、最後は温かい涙が溢れ出す人生賛歌。

特別上映作品
◆『La vita possibile(原題)』イヴァーノ・デ・マッテオ監督/100分/今秋岩波ホールほか全国順次公開。
『幸せのバランス』『われらの子供たち』に続いて、再び家族をテーマとしたイヴァーノ・デ・マッテオの最新作。夫のDVから逃れ、アンナは12歳の息子ヴァレリオと共に親友カルラが暮らすトリノへと移り住む。新たな生活を築くのに必死な親子を、独身のカルラは快く自宅へと迎え入れ、温かく見守るのだが。トリノの美しい街を舞台にマルゲリータ・ブイとヴァレリア・ゴリーノの息の合った演技が光る感動作。

特別上映作品
◆『道化師』マルコ・ベロッキオ監督/18分
昨年のヴェネチア国際映画祭の批評家週間で特別上映されたベロッキオの短編。ある田舎の劇場で、レオンカヴァッロのオペラ『道化師』のリハーサルが行われていた。歌い手の一人の母親が出資するプロジェクトだ。その夜のディナー後に余興が行われ、それが一触即発の事態を招く。ボッビオの映画ラボの学生たちと共同したわずか18分の短編だが、ベロッキオならではの濃密で張りつめた空気が終始漂う。※本作は、「夜よ、こんにちは」と「結婚演出家」に先立って上映される。

アンコール上映作品
◆『夜よ、こんにちは』マルコ・ベロッキオ監督/105分/2003年
1978年にイタリアを震撼させた「赤い旅団」によるモーロ首相誘拐暗殺事件をモデルに、若きテロリストたちを描いたベロッキオの問題作。部屋に閉じこもる4人の男女と監禁された政治家の息詰まるような時間が、女性テロリストのアンナの目から描かれる。理想と現実の間で苦悩するアンナを熱演するのはマヤ・サンサ。テロリスト役のルイージ・ロ・カーショ、モーロ役のロベルト・エルリツカの演技も光る。ヴェネチア国際映画祭で脚本賞を受賞。

アンコール上映作品
◆『結婚演出家』マルコ・ベロッキオ監督/100分/2006年
『ポケットの中の握り拳』以来、現代における宗教の問題を追及するベロッキオらしいイマジネーションにあふれた力作。娘が熱心なカトリック教徒と結婚したのをきっかけに創作の危機を迎えた映画監督フランコは、逃げるようにシチリアに行く。そこで出会った奇妙な貴族から、その娘の結婚式をフィルムに撮るよう依頼される。だが、娘は経済的な理由から望まぬ結婚を迫られていた。セルジョ・カステッリットとサミ・フレーが共演している。

アンコール上映作品
◆『カテリーナ、都会へ行く』パオロ・ヴィルズィ監督/90分/2003年
セルジョ・カステッリットとマルゲリータ・ブイが出演するヴィルズィのヒット作。高校教師の父親の転勤で、田舎からローマに来た13歳のカテリーナは、有名人の子供たちが通う学校に転入して、未知の世界に遭遇する。父親はこれを機会に有名になろうとするが、娘や素朴な母親はついていけない。ロベルト・ベニーニやミケーレ・プラチドなどの俳優や小説家なども実名で登場して繰り広げる、現代版「甘い生活」。ブイがダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞を受賞。

アンコール上映作品
◆『来る日も来る日も』パオロ・ヴィルズィ監督/102分/2013年
日本公開作が相次ぐヴィルズィのハートフルでロマンチックなコメディー。ホテルで夜勤をする控えめでインテリなグイドと、レンタカー店で昼間に勤務しながらシンガー・ソングライターを夢見る放埒なアントニア。対照的なカップルだが、相性は抜群だ。子どもを切望する二人は、グイドの夜勤明けに毎日愛を交わす。しかし、望みはなかなか叶わず、二人の仲がぎくしゃくしだす。グイド役のルカ・マリネッリは、昨年ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞を受賞して勢いに乗る俳優。

アンコール上映作品
◆『いつだってやめられる』シドニー・シビリア監督/100分/2014年
1981年生まれの新星、シビリア監督の長編デビュー作で、素人ギャングの顚末を独特のビジュアル感覚と小気味良いリズムで描く。37歳のピエトロは天才的な生物学の研究者だが、予算削減で大学の職を失う。研究に人生を捧げてきたピエトロが出した結論は、合法ドラッグを作って稼ぐこと。そのために、元同僚で不遇をかこつ化学、記号論、ラテン語、考古学、経済学、人類学の専門家を呼び集めて、犯罪集団を組織する。イタリアのゴールデン・グローブ賞で最優秀コメディー賞を受賞。

posted by ミッキー at 15:48| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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