監督さんは近田ボビーことボビー・オロゴンさん。脚本も製作もしている。主演は山田邦子さん。ゲスト・トーク付きで2000円。
🎬『JAPAN LOVE 』近田ボビー監督、脚本
石川県珠洲市に住む中年女性宮本(山田邦子)は夫を1ヶ月前に亡くしたが、急にいろんな国から来たバックパッカーが庭に無断でテントを張って住みついたので困り果てていた。
亡き夫が数年前から気楽にバックパッカーの人を泊めたいと大きな家をこの地に買って「お前には迷惑かけないから」と、どんどん計画を立てたので妻は何も知らなかったのだ。
その本人が死んでしまったのに契約した人が集まってきたのだ。亡き夫の弟(布川敏和)に相談するが……。
はっきり言って何も期待していなかった。ゲスト見たさでもなかった。どちらかというとロイヤル劇場の『修羅雪姫』が面白いと評で読んだのでついでにシネックスにも行った。
映画は意外や直球でいろんな国の方々が習慣や言語を越えて、同じ屋根のしたで暮らし、同じカマの飯をたべて気持ちを一つにして行くストーリーだ。
お相撲の元舞の海さんが水道工事の人に出てきたり、アグネス・チャンがシスター姿で出てきたりと思いがけない登場人物で楽しませてくれた。何十年ぶりに劇場で映画を観た方も、常に映画館に通っている方も気持ちを一つにできたと思う。
トークもひょうきんなオロゴン監督、突っ込む山田邦子さん、そばでにこやかな佇む松本穂香さんと、しっかり2000円分以上、元を取らせてもらった。
🎬『修羅雪姫』藤田敏八監督/1973年
明治の初め、小学校教師として赴任する夫と幼い息子と妻・小夜(赤座美代子)は、赴任先の道ばたで、竹村伴蔵、塚本儀四郎、北浜おこの、正景徳市の四人に夫と息子を殺された。
小夜はなぶりものにされたが、その時に徳市を殺してしまった。小夜は獄中で子を産み、同房の女囚に子を頼んで息を引き取った。赤子は雪(梶芽衣子)と名付けられ、成長して母の意志を継いで復讐の旅に出る。
梶芽衣子さんありきの作品。ただただ美しい。血ノリは明らかに偽っぽいし、多量でちょっと引いたが、白い肌や白い着物に返り血がパッと散るシーンにはゾクッときた。まさしく修羅の雪姫。流れる歌も梶芽衣子さん。切ないお声で淡々と歌っていた。