2017年03月09日

大阪アジアン映画祭 『カム・トゥゲザー』『大和(カリフォルニア)』

🎬『カム・トゥゲザー』シン・ドンイル監督/韓国

エンジニアの父ボムグ(イム・ヒョングク)は会社をリストラされ、母ミヨン(イ・ヘウン)はクレジットカード会社でノルマ競争に勝ち抜くために違法すれすれの行為を日常的にしていて、一人娘のハンナ(チェ・ビン)は高麗大学を受けたが、補欠入学18番目で、確実に受かったという大学からの電話を今か今かと待っている状態。家族3人、それぞれに苦しみを抱えている生活だったが…。

人生、健康で生きているならなんとかなる ! と感じさせてくれた作品だった。辛いこと半分、コメディ半分に韓国社会の実情も盛り込まれていた。

夫がヤケになっているときに偶然出会う上階に住む男(キム・ジェロク)や、娘の親友ユギョン(ハン・ギョンヒョン)がこの作品の「人生の方向転換」的存在として上手く展開していた。

🎬『大和(カリフォルニア)』宮崎大祐監督/日本・アメリカ・オランダ・台湾

米軍基地のある神奈川県大和市。少女・さくら(韓英恵)は高校に行かないで、気ままにラップの練習をしたり、土地の不良と喧嘩したりで、外でも家でも孤立していた。

彼女には働き者の母(片岡礼子)と兄(内村遥)がいる。そこに、母の元彼である米兵の娘レイ(遠藤新菜/日本とアメリカのハーフの設定)がカリフォルニアから遊びに来ることになって…。

米軍基地が大和市にあったことも知らなかった。画面では殺伐とした街が広がっている。そこに住む母、兄、さくらの家族の毎日が描かれているが、アメリカ人の元彼の娘が遊びに来るという設定が基地という土地柄を表していて特異な作品となっていた。

母と子らにとってレイとの血の繋がりは無しなのに、おおらかというかフレンドリーな母親の存在が良い意味でとても気になった。

韓英恵さんの疑り深い目線、純真でかつ自分をしっかり見つめているレイ。この2人の新鮮な存在がとても眩しく感じた。
posted by ミッキー at 07:30| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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