2017年03月06日

大阪アジアン映画祭『一日だけの恋人』『黙示録の子』

🎬『一日だけの恋人』バンジョン・ピサンタナクーン監督/タイ/日本初上映

デンチャイ(チャンタウィット・タナセーウィー)は大企業のIT技術部門に勤める地味で目立たない30代の男性。大勢の社員はパソコンの修理で彼を呼ぶが、顔も名前もはっきり覚えてもらえていない。

そんな中で、営業部の美しいヌイ(ニター・ジラヤンユン)だけ、3回目くらいで覚えてくれて名前で呼んでくれた。彼は一瞬にして恋に落ちてしまう。でも彼女は高嶺の花。それに会社の若き社長の愛人であることもだんだんわかってきたが、愛はつのる一方。

そんな時、社員旅行が「北海道」と決まり、全員、大喜び。その北海道旅行に突然社長夫人とお嬢様が前触れなく参加して、皆の前でお腹に赤ちゃんがいることを発表したので、「夫婦仲は上手くいっていない」と聞いていたヌイはショックを受けて、無謀なスキーをしてゲレンデで強く頭を打ってしまう。

男純情物語だ。冴えないメガネ、はっきり言葉も言わない、物陰からこっそり見ている、あまりの純情さで歯痒くなった。でもやることはストーカー並みだから笑える😄。

その彼女が一日だけ今までの記憶がなくなってしまうので、一日だけ一緒にすごせることになって…こんな非現実的な恋物語など…と思ったのは束の間、映画に入り込んで、ジーンとして涙が出そうになった。

純情青年(30歳だけど、ウブな青年みたいだった)チャンタウィット・タナセーウィーさん、初めから最後まで同じお顔で演じていた。好きな彼女のために格好良くなろうというパターンではないところが良かった。


🎬『黙示録の子』マリオ・コルネホ監督/フィリピン/日本初上映

母親から「『地獄の黙示録』撮影中にフランシス・フォード・コッポラ監督と恋愛してできた子」と聞かされてきたフォードは、その出生に疑問を感じながら恋人・フィオラと暮らしていた。

政治家だった亡き父の後を継ぐために美しい婚約者・セリナを連れて故郷に戻って来たリッチは、フォードと兄弟のように育ったが、亡き父がフォードばかり可愛がって、実の子のリッチはことあることに厳しくされたのが、今でも心に影を落としていた。

大学を出て地元の名士となるリッチと、サーフィンのトレーナーを細々とするフォード。そんな二人と二人が愛する女性を含めた4人の運命がフィリピン・バレルの美しい海辺で動き出して…。

映画祭で上映される作品はほとんどが新作や初上映なので、数行の紹介文で観る作品をチョイスしなければならない。でもこの選んでいる時が実にワクワクする。映画紹介を読むとみんな観たくなるぐらい興味を引くように書いてある。映画を観た後から、読み返すと「……うまく書いてあるなぁ」と思うことが度々ある。

実はこの作品もそうだ。話が、コッポラの落とし子と来れば観たくならないわけがない。これが真実か ? とずっと引きつけておいて(母親は弁護士を通じて親子だというDNA鑑定をしたいとも言っていた)最後がこんなのか…と気落ちしたミッキー😠。


posted by ミッキー at 00:29| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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