2017年03月04日

第12回 大阪アジアン映画祭始まる ❗️『ミセスK』『わたしは潘金蓮じゃない』

すらりとした長身によく似合う真っ白なパンタロンドレスのカラ・ワイさんが登場。会場からため息がもれる。
身体を鍛えぬいた深い呼吸のお声も美しい。

そんなカラ・ワイさんに【オーサカ Asia スター★アワード】は、日本を含むアジア映画界に多大な貢献をし、今後のさらなる活躍も期待されるスター性ある映画人を1名選出する。

今回の受賞者は、女性アクションスターであり、実力派女優としてもキャリアを重ね、アクションからドラマまで幅広いジャンルで活躍を続ける香港のスター、カラ・ワイ(惠英紅/クララ・ウェイ/ベティ・ウェイ/クララ・ワイの名でも知られる)さんに贈られた。

🎬『ミセスK』ホー・ユーハン監督/マレーシア、香港/日本初上映

かつてはマカオのカジノを襲撃した強盗団のボスだったミセスK(カラ・ワイ)は産婦人科医の夫(ウー・パイ)とかわいい女の子の3人家族で幸せに暮らしていた。

そんな頃にそれぞれ別の地で3人が殺されていた。その犯人はかつてのマカオの事件の時にミセスKを裏切った男(サイモン・ヤム)だった。

それが原因で幸せな家族に危険が迫る。ミセスKはすべてをなげうち家族を守るために戦うが…。

カラ・ワイさんは「この映画が私の最後のアクション作品になります。今、57歳ですが、身体はズタズタです。でも映画をやめるわけではありません。」と言われた。

そんな言葉を聞いてから観た『ミセスK』。

昔は強盗団ボスだったが、その後、10年以上はお母さんであり、主婦の設定なので、走ったり、格闘したりした時に肩で息するのは当たり前だ。画面から「それでも頑張っている」彼女のアクションに対する誠実さが伝わってきた。

カラ・ワイさんの夫役のウー・パイさんとのコンビがとても良かった。ただ、始まりに面白い場面が数カ所あったのに、それが伏せんとなっていないのが残念だった。

🎬『わたしは潘金蓮じゃない』フォン・シャオガン監督/中国/日本初上映

主人公リー・シュエリエン(ファン・ビンビン)とその夫は独り身なら勤めている製紙会社から家が貰えるので偽装離婚して、その後すぐに復縁するという約束だったが、夫が愛人と結婚してしまう。

腹を立てたリー・シュエリエンは裁判で訴えるが、だれもが親身になってくれなかった。ことごとく腹の立つ対応に、彼女は役所の市長や裁判長、弁護士をどんどん訴えていく。彼女は夫のことをはっきりさせたいのに訴える人物が増えていく。

最後にはこんな田舎で訴えるより、訴訟を起こすために北京に向かうが、気がつけば10年の月日が流れていた。

原作はリュウ・チェンユン(劉震雲)の同名小説「我不是潘金蓮」をが映画化。主役はファン・ビンビン。「潘金蓮」とは身持ちの悪い女という意味で女として最悪なレッテル。

画面は田舎ではスクリーンの真ん中の丸い形、都会・北京はスクリーンの真ん中で正方形。中国の国情、役人の保身、男尊女卑がこれでもかというくらい色濃く描かれていた。

最後に騒動の発端になる重大な嘘が唐突もなく語られるのが意外で、中国ならではのしまい方に驚いた。

ファン・ビンビンさんは体重を6キロも増やして熱演していたが、美しいお顔が大写しされるシーンが少なかったのが残念だった。
posted by ミッキー at 07:48| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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