立派な医師を目指している若き青年・ベンジャミン(ヴァンサン・ラコスト)は、父(ジャック・ガンブラン)が部長をしている病院で研修医として働くことになった。
同じ時に、外国人研修医のアブデル(レダ・カティブ)と一緒になる。彼は故郷で医師をしていたが、フランスでは医師免許は通用せず、改めて研修医からやっている中年医師だった。
初日からやる気満々のベンジャミンだったが、医療の現場では思うようには行かず思い悩んでしまう。
メ〜シネマとは「映画は映画館で愉しみたい」と考える大人たちのために、 「大人のあなたにこそ観てほしい珠玉の1本」として派手さはないけど、深い味わいが楽しめる日本未公開作品を厳選して毎月上映する企画。
この作品も期待満々で行った。『マイ スキニー シスター』『コンカッション』『セカンドマザー』と比べると少し落ちるし、ストーリー展開に先が見えて新鮮味がないが、後味は良かった。
少し落ちるのは「なぜに父親の権力の元で研修医になったか」、親の親、子も子、なんだか甘えの構造が気に食わなかった。
父親は息子の失敗を嘘で塗り固め、息子は重い気持ちにはなったが反抗はしない。悩みを相談した外国研修医のアブデルの助言で、なんと、彼が責任を取るハメになる…。
でも最後には……という作品。医療の現場が見もの。結構タバコシーンが多いので驚いた。
☆外国研修医のレダ・カティブさんは(『孤独の暗殺者 スナイパー』)この作品でフランスのアカデミー賞といわれるセザール賞の助演男優賞を受賞している。