コミック・アニメ作家のクレイ(ジョン・キューザック)は、ボストンの空港に降り立って、すぐに別居中の妻と幼い息子へ電話をかけるが、携帯の電源が無くなり、通話ができなくなってしまった。すぐに公衆電話からかけ直したが小銭も底をついてしまう。
ふと、振り返ると空港のあちこちから人が喚いたり、暴れたりとパニック状態になっていた。みるみるうちにそれが大きくなって、地下鉄に逃げ込んだクレイは、車掌のトム(サミュエル・L・ジャクソン)らと共に、暴徒化した人びとから身を守りながら、妻と息子が住むニューハンプシャーに向かうが……。
セルという意味は携帯電話のこと。突然、飛行場で携帯を使っている人たちが凶暴になって、ゾンビ化する展開。
夜は襲ってこなかったり、鉄塔の近くでは鳥のように群れていて、空に向かって喉から絞り出すような声を発したりていた。
気味の悪い映像が続くが、今なら、携帯なしの人を探す方が難しく、こんなことになったら全滅だ。
原作が10年前だが、それでもゾンビ化する設定は新鮮味がない。もう少し違う「電波を通した音には一切反応しない」人間になるとか、電波のあるところでは激しい耳鳴りがするようになって「圏外」に人が殺到する……など、工夫のしようはたくさんあるはずだ。
原作はスティーブン・キング。彼自身が脚本も書いている。