米軍の海兵隊員ガブリエル・ドラマー(シャイア・ラブーフ)は、妻ナタリー(ケイト・マーラ)と息子ジョナサン(チャーリー・ショットウェル)を故郷に残し、戦地アフガニスタンに派遣されることになる。妻は涙ながらに反対するし、幼い息子はしょんぼりしている。
戦地に赴く日の朝、息子を学校に送って行き、別れの時に「愛している」というのが恥ずかしいという息子にガブリエルは「マン・ダウン」という軍隊で兵士が傷ついたり倒れたりした時に使う言葉を「愛している、元気だ」の代わりの合言葉にする。
戦場での任務は想像以上だったが、故郷で待つ妻と息子の存在がガブリエルを奮い立たせていた。そして、やっとアフガニスタンからアメリカへと帰還するが、故郷の街は荒れ果てて瓦礫の山と化していた。
共に帰還したデビン(ジェイ・コートニー)と家族の行方を探すが…。
戦争映画をたくさん観ているが、こんなに胸を塞ぐ作品はなかった。衝撃のラスト7分46秒とチラシに書いてあったが、全く驚く展開だった。
改めて戦争がもたらす兵士の心身両面の深い傷、その家族の悲嘆を描き切っている。
主演のシャイア・ラブーフは、ブラッド・ピットと共演した『フューリー』でも兵士を演じていた。鈍い光をたたえた目元に「戦場の出来事」を封印したいというガブリエルの気持ちを見事に表していた。