レナ(レナ・ナイマン)は好奇心の強い女子演劇学生。中年の映画監督ヴィルゴット・シェーマン(監督本人)とは、女優と監督以上の仲。
シェーマン監督は、レナを主役にして社会派映画を計画する。彼女はそのためにテープレコーダーを持って街ヘインタビューに出かける。そこで、政治や社会問題についていろんな人の意見を聞く。
撮影で時の大臣の自宅も訪問するが、難しい話など興味がないレナは若い男優ポリエに夢中になっていく。レナはSEXにも好奇心を隠さない。
しかし、彼に家庭があることを知りショックを受けて、気を鎮めるためにしばらくぶりで田舎の実家に戻るが…。
ポルノ解禁の元になったという本作は、今から50年前に作られたもの。今ならなんでもないことと多寡を括っていたが、物怖じしないレナの直情的な動きやセリフにドキッとさせられた。
今はポルノ的なものを「出すことも、隠すことも」上手くなって「こうなるんじゃないか」の範疇から出ない作品が多いと思う。
単純であけすけな台詞が、肉感的で性的エネルギーがほとばしるレナの口からついて出るとたじたじとなってしまう。男の肝心なところをレナが弄ぶシーンが数回でるが、それで起立することがなかった。
ということは撮られる男性も「人前、カメラ前」で緊張のあまり……そういう時代だったのだ。その点、レナは堂々としていた。この女優さんは今、どうしていらっしゃるのだろうか。