名古屋シドニーは姉妹都市。2時間の時間差で(名古屋の最高気温時は午後2時かな)季節は「正反対」だ。こっちが煮込みうどん美味しい ! と送ると、今日は食欲ないから冷やし中華だよ、などと食べ物も当然違う。
🎬『キス・ミー!』スティーアン・クリスチャンセン監督/ノルウェー
タレは女優志望の女子高生。学校の演劇部で子ども向けのミュージカル劇を仲間たちとやっていたが、本格的な芝居をやりたくなって、近くに住む俳優に指導してほしいと、家に一人で訪ねていく。
かなり名の知れた中年男性の俳優は、今は酒浸りで世捨て人のような暮らしをしていて、即座に追い返えされるが、彼女が玄関脇の窓辺に座り込んで、小説を音読し始めるので根負けして指導すると約束をする。
女の子に人気のあるサッカー部のヴェガールも入部してきて、一層、やる気が出てきたタレだった。
始まりのシーンはタレがどこかのオーディションを受けているところで、しっかりした受け答えと自作の脚本の一部を語っていた。この1シーンで才能があって、行動力もあって、情熱もいっぱいある早熟な高校生と感じさせてくれて、いい始まりだった。(見たことのあるようなお顔だが思い出せない)
その彼女がヴェガールに恋をする。それからの彼女は「演じる」冷静さを失ってしまう。自分が言った何気ない言葉で「意中の人」を親友に取られて、愛を交わす現場も見てしまう。
そんなこんなで先が見えなくなった彼女の「惨めな自分を隠そう」と必死な姿が描かれていた。
最後は舞台で演じる者もそれを観ている人も、映画を観ているミッキーも一同全員感動する場面で終わるが、実際に活躍している女優さんたちも、きっと「自分との葛藤」という道を通ってきているに違いないと感じた。
🎬『サウンド・オブ・レボリューション 〜グリーンランドの夜明け〜』イヌック・シリス・フー監督/グリーンランド、デンマーク、ノルウェー
グリーンランドは230年間におよぶ植民地支配を経て、1953年にデンマークの一部となった。そして1970年代、素直でおとなしいとされていた国民性のグリーンランド人の若者たちがグリーンランド語で歌った最初のロックバンド「スミ」のドキュメンタリー映画。
当時のグリーンランドでは、母国語で歌う事はとんでもない事だとされていた。教育もデンマーク語で行われていて、大学は家族と離れてデンマークに行くしかなかった。
そんな生活な中でグリーンランド語を忘れてしまう若者たちだが、反対に生まれ故郷から離れたおかげで支配されているグリーンランドを強く感じるようになり「スミ」が結成された。スミ(Sume)とはグリーンランド語で「何処?」という意味だ。
彼らは大学卒業と同時に活動をやめて故郷に帰ってしまうが、それまでに出したアルバムは3枚。異例のヒットとなり、北欧をツアーするが、きっぱりやめてしまう清々しさに感動した。
☆1枚目のアルバムのジャケットは「先住民族イヌイットが、入植者の北欧人を殺害し、その腕を切り落としている」という図柄でショックを受けた。音楽的には3枚目の打楽器中心の音楽が良かった。