2017年01月26日

中川コロナ「メ〜シネマ」の『セカンドマザー』、そして『天使にショパンの歌声を』

🎬『セカンドマザー』アイ・ミュイラート監督/ブラジル/112分

サンパウロで住み込みの家政婦として13年間働いているヴァル(ヘジーナ・カゼ)は、ずっと自分の故郷にいる姉妹に娘を預けていた。もちろん、生活費や学校の費用など毎月送っていた。

そんなある日、その娘のジェシカ(カミラ・マルディラ)が大学受験のためにサンパウロにやって来ると突然電話がかかってきた。

アパートを見つけておいて欲しいと言われたが、屋敷の奥様が「あなたの部屋に住んでもいい」と言ってくれたので大喜びのヴァル。

しかし、娘はお屋敷の家族と母親の立場である主従関係とは違う、自分とお屋敷の人とは対等だという姿勢を崩さなかった。

いくら何でも娘さんには同調できなかった。来客用の部屋を要求したり、ご主人様と美術館やレストランにいったりと、ミッキーから言わせるととんでもない娘だ。

この母娘は10年近くに会っていなくて、考えの相違もあってしっくりいかない。しかし、お屋敷のお坊ちゃんと同年齢の子は試験にすべって、娘は名門の建築科に余裕でうかってしまう。

よほど、それが嬉しいヴァルは、しょげているご主人様たちの前で小躍りして喜ぶのだ。お金持ちとそうでないものの差が、その人の立場や環境によっていろいろと変化していく様子が上手く描かれていた。

🎬『天使にショパンの歌声を』レア・プール監督/カナダ/103分/伏見ミリオン

舞台は1960年代のカナダ・ケベックにある修道院運営の寄宿学校。校長のオーギュスティーヌ(セリーヌ・ボニアー)は音楽の授業の力を入れて指導してきた。音楽コンクールで優秀な成績をおさめ、父兄からも支持されていた。

時代は近代化を進める政府は、公立学校を国内に増加し、ここの生徒も公立に転校してしまうことで、一挙に財政難になる。

お金のかかるオーギュスティーヌの学校は修道院の総長から真っ先に「音楽はほどほどにして、良妻賢母の教育を中心にしてほしい」と注意勧告を受ける。

そんな時にオーギュスティーヌの姪アリス(ライサンダ・メナード)が入学してくる。アリスはピアノの才能がありながら、誰にも心を開かず問題ばかり起こす少女だった。

今年、初めてパンフレットを買った。

ショパンはピアノの詩人と言われている作曲家。題名は歌声になっているから不思議だなぁと思っていたが、ショパンで有名な「別れの曲」のことを指しているとわかった。日本でもこの歌はよく聴く。カナダ・ケベックでもフランス語で歌われていた。

歌ったのはアリスとすぐ意気投合した難読症のスザンヌ(エリザベス・トレンブレイ=ギャニオン)で、この少女の歌声でミッキーは胸を打たれた。ピアノも全て吹き替えなし。アリスはカナダを代表する若手ピアニスト。名前はわからないがスカルラッティのピアノソナタを弾いた少女も大層な腕前でA判定を貰っていた。

ピアノ、合唱、独唱、そして学校の同僚たちの想いを是非聴いていただきたい。

☆ちょっと気になったのは、コンクールの舞台の時の洋服。ミニまではいかないが膝上の丈のスカートだった。舞台ではロングか膝下10センチが常識だ。
posted by ミッキー at 15:40| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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