このプロジェクトは「映画時間80分程度/10分に1回の濡れ場/製作費一律/撮影期間1週間/完全オリジナル/ロマンポルノ初監督」という括りの中で作られた。
その中でミッキーが気に入った2作品をご紹介したい。
これは東京ではすでに上映が終わっていたり、上映中もあるが、名古屋は今池シネマテークで29日から始まる。
5作品の中で「女性にはとても無理!」というのは一つもない。2作品選んだのはあくまでもミッキー好み。
🎬『アンチポルノ』園子温監督・脚本/78分
小説家でアーティストとしても有名になった若い京子(冨手麻妙)は、極彩色の広い部屋に住んでいて、マネージャーの典子(筒井真理子)が分刻みのスケジュール管理をしている。その関係は時によって変わり、虚構と現実の間で京子の過去の秘密が暴かれていく。
ガラリと変わる京子の立場、極彩色の広いスペースの一部屋だがトイレの仕切りもない。排泄物はゲロだけ。その密室で繰り広げられる悪夢のような展開は、説明は無用 ! 是非、この部屋に取り込まれてほしい。
園子温監督の実力がこの作品に於いても観ることが出来た。主演女優の富手麻妙さんのセーラー服姿がエロチック、それと大声も囁く声も魅力的だった。
🎬『牝猫たち』白石和彌監督84分
東京・池袋のデリヘルで働く女性たちの物語。これはミッキーのオススメの作品。舞台はとある風俗店。電話を待っていて女の子を自宅マンションに行かせるシステム。
お客の多様性、女たちを取り巻く環境などしっかり組み込まれていた。
お名前はわからないが無許可で個人的に子どもを預かる貧相な男がよかった。こんな男に2日、3日と連日預ける女の気持ちがわからないので、ミッキーは腹がたったが、この男は子どもの体中にある生傷を見て、子どもに静かに事情を聞いていた。
都会の片隅で生きていく難儀さ、どうしてこうなってしまったという後悔がどっさり出てくると思って観ていたが、女たちの「生き抜く」圧倒的なしたたかさに共感する部分がたくさんあった。特にこの作品は女性の方に観ていただきたい。
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