2017年01月17日

イスラーム映画祭2『蝶と花』

🎬『蝶と花』ユッタナー・ムクダーサニット/タイ/120分/1985年

父親と弟妹と暮らす長男の少年フーヤン(スリヤー・ヤオワサン)は、マレーシアとの国境に近いタイの南部に暮らしている。父親は駅で手荷物の運ぶ仕事をしている。フーヤンは弟妹の世話や家事をやっている。

貧しい暮らしで弟妹は学校に行っていない。長男の彼だけ月々の授業料をどうにか払って通っているが、卒業認定試験のお金が払えない状態。

彼は学校の受け持ちの先生の許可をもらって、アイスキャンデー売りをする。学校のそばで売るが、早くフーヤンと遊びたいから学校仲間が率先して買いに来てくれる。でもすぐ休みに入るとたちまち売れなくなって、これでは弟妹が学校に行けないと思い、違法の仕事、タイ米の密輸仲間にはいる。


上映が始まる前に主催のF青年が「この作品は僕が一番好きな映画です」と挨拶された。期待が高まる中、映画が進むにつれて懐かしさと貧困の切なさがビシビシ伝わってきた。

法や危険をおかしながら弟妹にちょっと誇らしげに教科書を渡すフーヤン。物静かなフーヤンだがだんだんたくましさも加わる。学校の同級生でフーヤンに想いを寄せる蝶とお花が大好きなミンピーも可愛い。そしてフーヤンの学校の女先生もいい俳優さんだった。

当時の生活、鉄道、ヤミ米の仕事の危険さも実際の当時のことが丁寧に描かれていた。これぞ、タイの貧しい時代の青春映画だった。

☆タイ映画史上でも名作といわれている作品。国内のスラサワディー賞で作品、監督、脚本、脚色、編集、美術、助演男優賞を受賞している。
posted by ミッキー at 08:59| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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