2017年01月04日

ホラー映画ベストテン候補(日本のホラーは一つもない)

◆『死霊館 エンフィールド事件』ジェイムズ・ワン監督、脚本/アメリカ
ロンドン北部に位置するエンフィールドで、4人の子供とシングルマザーの家族は正体不明の音やひとりでに動く家具が襲ってくるなど説明のつかない数々の現象に悩まされていた。心霊研究家のウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ)は、一家を苦しめる恐怖の元凶を探るため彼らの家に向かう。
これが実話だから驚く。ジェイムズ・ワン監督さんは子役の選び方、扱い方が上手い。『死霊館』では5人姉妹、新作では4兄妹と、悪魔は子ども好きなんだろうか。

◆『アンフレンデッド』レベン・ガブリアゼ監督/アメリカ
カリフォルニア州で、酔った勢いで粗相をした恥ずかしい動画をYouTubeにアップされた女の子が、それを苦にして自殺してしまう。名前はローラ・バーンズ。全編パソコン画面でスカイプとチャットからできている。斬新な試みで、これなら大画面で観なくても小さな画面でもOKだ。いったい、製作費はどれぐらいだったのだろう。内容はかなり惨いし、不思議な怖さがあった。

◆『エル・クラン』パブロ・トラペロ監督/アルゼンチン
1980年代のアルゼンチンは、最悪な独裁政治から民主政治を取り戻しかけていた。裕福で仲の良いプッチオ家はご近所さんからも信頼されていた。家族は父アルキメデス(ギレルモ・フランセーヤ)と妻、息子3人、娘2人の7人家族。職業は誘拐稼業。
これはアルゼンチンの人なら絶対に知っている有名な事件らしい。誘拐ビジネスが家業とは恐れ入った。同じアルゼンチン映画の『瞳の奥の秘密』でも人殺し犯人はすぐに釈放されて、時の権力者の警護をしていた。エル・クランのお父さんも最後の最後まで「悪いことした」などという顔は一回もしていない。最後の「彼らのその後」でまたもや驚愕。

◆『ドント・ブリーズ』フェデ・アルバレス監督/アメリカ
寂れきったデトロイトの街を出るために資金がほしいロッキー(ジェーン・レヴィ)は、恋人マニー(ダニエル・ゾバット)と友人アレックス(ディラン・ミネット)の3人で、ひとり暮らしで、大金を持っているという噂の目の見えない老人の家に忍び込む。しかし、老人(スティーヴン・ラング)は、飼っている獰猛な犬を手下に、驚異的な聴覚と兵役で鍛えた体力と経験で彼らを追い詰める。リメイク版『死霊のはらわた』のフェデ・アルバレス監督作品。どんでん返しが意外な設定で驚愕。こうなるとは思いもよらなかったので嬉しいドッキリ。

◆『私はゴースト』H.P.メンドーサ監督/アメリカ
女の子エミリー(アンナ・イシダ)は、一人暮らし。朝、ベッドで目を覚まし、あ〜ぁ、と伸びをして、台所で目玉焼きを焼いて食べる。部屋を掃除する。時々物音や自分を呼んでいる声が聴こえるが誰もいない・・・。
映画の多くは、亡霊や怨念に恐れたり、悩んだりする「こちら側」が主役だが、これは反対。死んだ少女が主役で、死んだとは知らずに生活しているのだ。作りは茫洋としているが後からじんわりと恐怖が押し寄せてくる。

◆『ロブスター』ヨルゴス・ランティモス監督/アイルランド、イギリス、ギリシャ、フランス、オランダ、アメリカ
独身者は逮捕されてホテルのような病院に送り込まれる。45日以内にここでパートナーを見つけられなければならない。さもなくば希望する動物に変えられてしまう。デヴィッド(コリン・ファレル)もここに連行されて来た。彼の連れて来た犬は「兄」で同室が認められた。すぐ審査が行われ45日間パートナーができなければ何になりたいか聞かれた彼は「120年以上生きるロブスターになりたい」と希望する。しばらくして彼は、美しいが情のない女と結婚する。だが嫁に犬(兄)を惨殺されたことで耐え切れなくなり、独身者たちの集団が潜んでいる森に逃げ込む。そこは、今までと反対で「恋愛や結婚」はタブーだった。
『籠の中の乙女』の監督さん。痛い、酷い、シーンもかなりあった。森の中で時々見え隠れする動物や鳥(孔雀、ツル)は元は人間ということだ。

◆『サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース』スティーヴン・C・ミラー監督/アメリカ、カナダ
アメリカ・ウィスコンシン州の平穏な田舎町。今日はクリスマス・イブ。そんな時に。連続殺人事件が……。いつもは事件などあまりないので、保安官(マルコム・マクダウェル)は大事件に腕まくり、怖がりの助手、電話交換の女性、そして新米女性保安官(ジェイミー・キング)で解決しようとするが…。数少ない目撃情報で犯人はサンタクロースの格好をしているとわかる。でも町中サンタだらけ。殺され方が凄い。火炎放射器、斧、ナイフ、メリケンサック、極め付けは脱穀機 ❗️やりすぎ、荒っぽい、の感はあるがホラー好きは見逃せない。

◆『ワイルド わたしの中の野獣』ニコレッテ・クレビッツ監督/ドイツ
いつもバスで仕事場に行くアニア(リリト・シュタンゲンベルク)は、ある日、自宅マンションの付近に広がる森で一匹のオオカミを見つけた。オオカミは彼女をじっと見つめていたが森に入っていった。嫌味で人使いの荒い上司ボリス(ゲオルク・フリードリヒ)にこき使われ冴えない日々を過ごしていた彼女だが、狼の野生的な目の光に、なぜか心をかき乱されていく。
彼女は、大層高い肉を与えたり、小動物(ウサギ)をエサ目的でペットショップで買ったりして、その狼を自分の部屋に入れるのに成功する。そして…。
気味の悪い映画の範疇に入ると思うが野性化して自滅する女のさまよう心身がホラー的要素がたっぷりあった。

◆『ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄』ウーリー・エデル監督/カナダ
ハロウィンの夜。ニューヨークの大学の教授・マイク(ニコラス・ケイジ)は、7歳の一人息子チャーリーとハロウィン・カーニバルに出かけた。だが、アイスクリームを買っている隙にチャーリーは忽然と姿を消してしまう。
ニコラス・ケイジ主演だから楽な気分で観たが、こんなに真面目で一生懸命なお父さん役とは思わなかった。必死さが真に迫っていた。時期もハロウインだからぴったり。ハロウィンのお祭り騒ぎの裏に秘められたダークな物語やハロウインの発祥のいわれも織り込んであった。

◆『プリースト 悪魔を葬る者』チャン・ジェヒョン監督/韓国
女子高生・ヨンシン(パク・ソダム)は、ひき逃げ事故にあった直後から不可解な症状が出て、ついに飛び降り自殺をしてしまう。命は取りとめたが昏睡状態のままで、彼女に何かが取り憑いていると確信したキム神父(キム・ユンソク)は、悪魔祓いをすることにした。そのためには、除霊に関する知識がある助手が必要になり、問題児の神学校生アガト(カン・ドンウォン)を選んだ。
韓国がエクソシストものをやるというだけで観たくなった。終盤にかけてどんどん切羽詰っていく様が西洋のエクソシスト+キムチパワーで描かれている。カン・ドンウォンさんは悪魔祓いの儀式が始まる前にとても柔らかい声で歌っていた。悪魔をなだめるような温かさも純真さもあった。最後のシーンのアガトの「かすかな笑い」と、低い声が「悪魔」のような気がしてならなかった。

◆『マーターズ』ケヴィン&マイケル・ゴーツ監督/アメリカ
工場の跡地にのこる資材置場のような場所から必死に逃げ出す少女。彼女は無事に施設に収容され、カウンセリングを受けるが「私は狙われている」と言い続けていた。時は移り、15年たったある日、リュシーは、自分を閉じ込め、乱暴した一家を見つけ「皆殺し」してしまう。
突き止めた先にはある「宗教組織」が…是非、是非のオススメ・バイオレンススリラー!
posted by ミッキー at 10:42| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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