2016年12月06日

まさに「今」を表している2017年1月21日公開『揺れる大地 デジタル修復版』

カチンコ『揺れる大地 デジタル修復版』ルキーノ・ヴィスコンティ監督/イタリア/160分/1月21日より新宿武蔵野館にて全国順次「3作品連続」ロードショー公開

シチリアのアーチ・トレッツァの小さな漁村。ヴァラストロ家の長男ウントーニ(アントニオ・アルチディアコノ)は、自分たち漁師が獲った魚を仲買人の搾取で貧しい暮らしに甘んじているが我慢できないでいた。

祖父(ジョヴァンニ・グレコ)に相談するが「今までどおりでいい、無駄なことはするな」と言うばかりだった。

そんなある日、仲買人たちとの喧嘩がきっかけで、家を担保に銀行からお金を借りて独立して漁を始めることにした。運良くイワシの大漁で大喜びして一家はイワシを樽に塩漬けにする。

だが、運のいい日は長く続かず、ある夜、漁に出た一家の男と仲間たちは嵐にあう。数日後に無事に戻るが、船は壊れ、漁具などは流されて、失業者となってしまう。塩漬けにした鰯は、足元を見られて安値で仲買人に買いとられ、家も銀行に差し押えられてしまう。祖父は危篤になり入院、そして一家はあばら屋に引っ越す。

ルキーノ・ヴィスコンティ監督の長編第2作品目。全出演者が漁村の方々。

朝早くから浜辺では男の大声が響く。活気に満ちているが、働けど働けど、その日腹いっぱいに喰える賃金はもらえない。それでもそんなことは慣れっこになっている漁師たち。

反旗を翻すウントーニに助っ人はほとんどいない。ウントーニが惚れているネッダも貧しくなれば去っていく。祖父が言った「今までどおりでいい、無駄なことはするな」が堪える。

自暴自棄になったウントーニが浜辺で小さな女の子に(言葉は忘れたが)励まされる。そのひと言が彼を再び仲買人の船に乗りこんで、漁に出る決心をする。

どんなに馬鹿にされようが、壁のように前に立ちはだかる「体制」に戦いを挑んだ「誇り」を身につけて「漁師に雇ってくれ」と頭を下げる。

ウントーニの辛さが手に取るようにわかった。生きにくい「今」と重なるところが多く、若い方に是非観ていただきたい作品。

☆カメラとナレーションがとてもよかった。
posted by ミッキー at 05:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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