2016年12月02日

伝説の精神科女医ニーゼ 12月17日公開『ニーゼと光のアトリエ』

カチンコ『ニーゼと光のアトリエ』ホベルト・ベリネール監督・脚本/ブラジル/109分/12月17日より渋谷ユーロスペース他にて全国順次公開

1944年、精神科医のニーゼ・ダ・シルヴェイラ(グロリア・ピレス)はリオ・デ・ジャネイロ郊外の精神病院に着任した。

そこでは日常的にアイスピックによるロボトミー手術や電気ショックによる治療が施されていた。彼女はそれに反対し拒否した為に、赴任してすぐに作業療法室に追いやられてしまう。

去年(2015)の東京国際映画祭でグランプリと最優秀女優賞をW受賞した作品。ベルリネール監督はドキュメンタリー的な手法でニーゼの信念を描いている。

『むかしMattoの町があった』のフランコ・パザーリアさん(1924〜1980)はイタリアで、ニーゼ・ダ・シルヴェイラさんはブラジルで男社会の精神医学界の真っ只中で反旗をひるがえし、現在では常識である芸術活動やアニマルセラピーの先駆けとなった女医。この二つの映画を同じ時期に観たミッキーはやり遂げた固い意志に頭がさがった。

彼女が追いやられた作業室は物置部屋になっていて、片隅で失禁した患者が壁に汚物で不思議な絵画を描いているのを見たニーゼは、そこを清潔に片付けて、いろんな分野で思い思いに表現ができるよう、環境を整えていった。

行動が早く、男社会からの嫌がらせも日常的にあったが「あなた達はアイスピックで治療するが、私は絵筆で患者と向かい合って治療している」と毅然と言っていた。

晩年のニーゼが最後に映されたが、茶目っ気のある朗らかなおばあさまだった。この笑顔と勇気でたくさんの患者さんが救われたと思った。

☆精神病院と芸術活動のドキュメンタリーで忘れられない作品がある。五十嵐久美子監督の『遠足 Der Ausflug』(DVDになっていないかもしれない)だ。ウィーン近郊の精神病院内にある「芸術家達の家」を扱ったもの。いまでもパンフレットや小さいチラシは大切にしまってある。
posted by ミッキー at 09:59| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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