2016年11月10日

国家によって捏造された事件を暴く 11月12日公開 『弁護人』

カチンコ『弁護人』ヤン・ウソク/韓国/127分/11月12日より新宿シネマカリテ他にて全国順次ロードショー公開

1980年代初めの釜山。高卒で勉強して苦難苦闘の末に判事になったソン・ウソク(ソン・ガンホ)は、誕生した長男の出産費用も払えないほど困窮していた。

そんなウソクは弁護士に転職。学歴、知人、コネもないことから、不動産登記専門や税金対策の仕事をこなして、釜山で最もお金を稼ぐ弁護士となった。

海が見える高層マンションを買い、妻の苦労をねぎらい子どもを喜ばせる。そして、とあるクッパのお店に家族を連れて行く。そこは7年前に借金と食い逃げで足が遠のいていた店だった。

謝ってお金を返そうとしたが、女主人のスネさん(キム・ヨンエ)はニコニコ顔で許してくれて、今晩のお代もいらないよと歓待してくれた。

仕事も順調で、ソウルの大きな建設会社からも仕事が舞い込み、事務長のドンホ(オ・ダルス)共々大喜び。

その契約の大事な日に、クッパ店のおばさんが事務所に飛び込んできて「息子のジヌ(イム・シワン)が行方不明で探していたが、公安に逮捕されて留置されている。息子に会いたいから力になってくれ」と言う。

大会社の仕事を終えて、ウソクはその日のうちにおばさんの家に訪ねて行く……。

どうにか面会にこぎつけたおばさんとウソクは、ジヌの変わり果てた姿と体にある無数の傷を見つける。誰も引き受けない国家保安法の裁判でジヌの弁護人を引き受けることを決心する。


1981年、民主化勢力を弾圧するために事件をでっち上げ、被告人22人を強制連行して、拷問の末、自白を強要したという事件「釜林(プリム)事件」が基になっている。

韓国の重大な冤罪事件で、その被告人の弁護を担当したのが、当時駆け出しの弁護士だったノ・ムヒョン元大統領。この事件が政治家転身のきっかけとなったとされているが、本作では触れていない。

言うまでもなくソン・ガンホの卓越した演技で最後まで食い入るように観た。どんな表情の時も惹きつける魅力に「お見事 ! 」の一言だ。特に食べながら演技したり、しゃべったりするシーンは格別に上手い。

『戦場のメロディ』のイム・シワンは2016年だから、この『弁護人』は約2年以上前だ。年齢相応で少年のような感じがとてもよかった。ファンにとって、かなりきつい拷問シーンは切ないだろうが、彼にとって名俳優のソン・ガンホやベテラン脇役のオ・ダルスさんとの共演は一生の宝物だろう。
posted by ミッキー at 21:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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