2016年09月29日

もうひとつの「歓待」10月8日公開『淵に立つ』

🎬『淵に立つ』深田晃司監督/119分/10月8日より有楽町スバル座他にて全国ロードショー公開

山間の町で小さな金属加工工場を営む鈴岡利雄(古舘寛治)は、妻の章江(筒井真理子)と10歳の娘・蛍(篠川桃音)の三人家族。平穏な毎日を送る家族だ。

そんな彼らのところに利雄の昔の知人である八坂草太郎(浅野忠信)が突然訪ねてくる。利雄は章江に相談もしないで、その場で八坂を雇い、自宅の空き部屋に住まわせる。

章江は突然の出来事に驚くが、きちんとした佇まいの男で、蛍のオルガンの練習にも付き合ってくれる八坂に親しみ以上のものを感じるようになる。

利雄は、八坂に負い目があるらしく、妻や娘と親しそうにする八坂を遠うまきに見ていたが、突然、八坂は一家に酷い仕打ちをして姿を消してしまう。

…それから8年後、八坂の行方を興信所に調べさせていたが、手がかりはなかった。


家族の中に他人が入る。すると途端に何かが大きく変化する。他人のいる気配は家中に充満していつの間にか「客」が「視線の主」となって君臨する。

役者の真髄のようなものを感じた作品だった。この監督さんの『歓待』でも家庭の中に他人(歓待されざる男を古舘寛治がやっている)が入って騒動が起きるが、この新作では古舘が受け身にまわっている。

浅野忠信は今までにない役柄で、一家のささやかな幸せを壊していく。その不気味な物言いや渇いた表情が頭から離れない。

筒井真理子さん、台所で料理をする後ろ姿に色気があった。この女優さんの底力をみせてもらった。

「淵に立つ」という映画題名も意味が深い。第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞を受賞。
posted by ミッキー at 07:28| Comment(0) | ブログ・リスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: