2016年08月10日

多くは望んでいないのに壊れていく「普通」8月27日公開『ティエリー・トグルドーの憂鬱 』

🎬『ティエリー・トグルドーの憂鬱 』ステファス・ブリゼ監督/フランス/92分 /8月27日よりヒューマントラストシネマ渋谷にて全国ロードショー公開

50歳を過ぎたティエリー・トグルドー(ヴァンサン・ランドン)は失職して約1年半たつ。文句ひとつ言わない妻と障害のある高校生の息子の3人家族。

求職活動はうまくいかず、銀行からの借り入れも望みがない。この苦境を乗り切るために思い出の詰まったトレーラーハウスを売ろうとするが、足元を見られ買い手から値切られて交渉決裂。

ようやく、スーパーマーケットの警備員の仕事にありついたが……。

フランス人の特性などと知ったかぶりで物は言えないが、日本人とくらべると「相手の欠点」などを率直に言う。それが「公の場」においては特に痛烈だ。

失業中に受ける役に立ちそうもない職業訓練、スカイプで面接を受ける様子、トレーラーハウスの売り買いの場面、スーパーマーケットの従業員のちょっとした不始末、その合間に入る障害のある息子との生活。

それらをじっくりと丁寧に(時には観ていて辛くなるほど)映している。だから、彼自身の我慢の限界も手にとるように分かる。

障害を持った息子を中心にした家庭に、ティエリーは外で感じる嫌なことを一切持ち込んでいない。このことが、この作品にとって唯一無二の大きな救いと感じた。
posted by ミッキー at 18:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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