2016年05月28日

笑い声が聞こえなくなった家 6月18日公開『葛城事件』  

🎬『葛城事件』赤堀雅秋監督/120分/6月18日より新宿バルト9他にて全国ロードショー公開

東京近郊の住宅地。親から受け継いだ金物屋を自営する葛城清(三浦友和)は、美しい妻・伸子(南果歩)との間に2人の息子にも恵まれて、念願のマイホームを建てる。

彼は理想的な家庭を築き上げたと思っていたが、彼の思いの強さのために気が付かないうちに家族を抑圧的に支配するようになっていた。

そんなある日、清に言動を制限されて過ごしていた伸子が不満を一気に爆発させて、次男の稔(若葉竜也)と共に家出をする。これをきっかけに葛城家は崩壊の一途をたどる。

家族が崩壊していく映画はたくさんある。でもなんとか終盤で少し光を感じさせてくれる…と、期待しても葛城家に関しては、そうは行かない。最後までずぶずぶっと堕ちていくのだ。

長男の保(新井浩文)は幼い頃から従順で頭もいい、弟はアルバイトさえ長続きしない。だから父親は兄を可愛がる。保は期待されているので、対人関係に悩んでいたり、会社もリストラされているが、妻にも実家にも言っていない。

配役からいっても、状況からいっても新井浩文・兄の方が無差別殺人をしそうだが、しない。妻や幼い子をなんとか守りたいからだ。

弟が無差別殺人事件を起こして8人の人間を殺傷、死刑宣告を受けてしまう。と最大級のネタバレしてしまったが、こんなのはチラシにも書いてあるので許してほしい。それにまだまだ、不幸の沼にずぶずぶは半分ぐらい。

どんな幸せな家でも、例えば「交通事故を起こして死亡させた」「家事の火元になって隣家のお年寄りを死亡させた」ということが起これば人生は変わると思う。それに明日そうなってもおかしくないことだ。

そう考えて見ると私たちが「平穏に暮らしている」のが奇跡のように思えてきた。

低い声で♪「バラが咲いた」を歌いながら「人殺し」などと書かれた文字をペンキで上塗りして消している父親の姿に、「自分とは関係ないこと」とは言い切れない「恐ろしさ」があった。

posted by ミッキー at 22:39| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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