2002年6月29日。その日、韓国の人々は「サッカーワールドカップの3位決定戦」に熱狂していた。ちょうどその頃、朝鮮戦争休戦後に決めていた黄海の南北境界線「ノーザン・リミット・ライン」を何回も侵犯していた北朝鮮警備艇が、韓国軍艦艇へ奇襲攻撃をかけてきた。
その想定で非常事態の訓練をしてきた韓国357号軍艦艇は、ユン・ヨンハ艇長(キム・ムヨル)の指揮で交戦に入る。逃げ場のない戦場で果敢に立ち向かっていくが・・・。
南北に分けるのは38度線のみと思っていたが、海上でも南北境界線があることは、この映画を観るまで知らなかった。そしてこんな激しい戦いが起こっていたことも知らなかった。
それだけでも観る価値はミッキーにとって十分過ぎるものだったが、サッカーの試合に沸き返る世界と命がけで国を護ろうとしている兵士たちの姿を丁寧に描き切っていた。
最後に、この時生き残った兵士たちが訥々と話するフィルムが流れた。勉強にもなったし、兵士たちの結束のつよさに心を大きく揺さぶられた。こんないい映画なのにコロナ8番の会場はミッキー1人だった。
☆韓国の軍隊生活は非常に上下関係が厳しいが、この韓国軍艦艇の仲間は規律を守りながらも穏やかな雰囲気だった。
🎬『西部戦線1953』チョン・ソンイル監督/韓国/112分/2015年
朝鮮戦争が始まって3年たった1953年。妻が産気づいてもうすぐ生まれるという時に、有無も言わせず兵士となったナムボク(ソル・ギョング)は、韓国軍の伝令兵として期限までに前線基地に「最高機密文書」を届けるよう命じられる。
だが、北朝鮮の襲撃のドサクサで機密文書を入れたカバンを紛失。その機密文書を拾ったのはが北朝鮮軍の戦車部隊の新米兵士ヨングァン(ヨ・ジング)だった。
戦闘でヨングァンだけ生き残ったが「戦車」で帰還しないと銃殺刑。方やナムボクも戦争の行方を左右する重要文書の紛失がわかれば銃殺刑になってしまう。
韓国映画界の頼りになる男bPのソル・ギョングさんと『ファイ 悪魔に育てられた少年』をヨ・ジング。この2人の戦いはコメディ調に見えなくも無いが、本人たちに取っては命がけの出来事だ。そこにコメディ調の音楽だから・・・ちょっと不満。
この映画の時はお客が中年おばが2人だった。