🎥『ヴィオレット −ある作家の肖像−』マルタン・プロヴォ監督/フランス/139分/12月19日より岩波ホール他にて全国順次ロードショー公開
1907年、ヴィオレットは私生児として生まれる。母親に愛されない思いを抱きながら生きた彼女は、そのことを小説を書き始める。
あるきっかけで、ボーヴォワールに才能を認められ、彼女の助けを受けながら、戦後間もない1946年に、女性として初めて自分が体験や性を赤裸々に書いた「窒息」を出版。だが、カミュやサルトル、ジャン・ジュネといった大物作家の支持を得たが、社会からは受容されなかった。
傷つき果てたが、ボーヴォワールの支えによって再びペンを取った彼女は、パリからプロヴァンスに向かい、新作「私生児」を書き始める。
1940年代のパリ。実在の女性作家・ヴィオレット・ルデュックと彼女を支えつづけたボーヴォワールとの関係を軸に赤裸々に描かれている。
この作品でボーヴォワールの印象が大きく変わった。態度も言葉も感情もすべて大人の女性だ。二人の関係の始まりは、ボーヴォワールの後をスートカーのようにこっそりつけて行って、家を確かめて、再度、自分の原稿を持って突然訪ねて行く。それでも「必ず読むわ」と言って嫌な顔もしていない。
これがきっかけでヴィオレット・ルデュックの才能が認められていくのだが、ヴィオレット・ルデュックの情熱的な行動とボーヴォワールの冷静さが、とても興味深く描かれていた。
ミッキーは、ヴィオレット・ルデュックのお名前も作品も知らなかった。「窒息」「私生児」は近いうちに是非読んでみたい。
ヴィオレットを演じたエマニュエル・ドゥヴォスは個性的なお顔立ちの女優さん。付け鼻をしたと書いてあったが、それがとても自然だったので資料を見るまでわからなかった。
☆ヴィオレットやボーヴォワールの衣装は◎、特に普段着、部屋着などは布の肌触りを感じ取ることができた。