🎥『サクラメント 死の楽園』タイ・ウェスト監督・脚本/アメリカ/100分/11月28日より角川シネマ新宿他にて全国順次ロードショー公開
今まで連絡が途絶えていた妹キャロライン(エイミー・サイメッツ)から「是非、来てほしい」と手紙を受け取ったパトリック(ケンタッカー・オードリー)は、過激な取材で知られる報道マンのジェイク(ジョー・スワンバーグ)、サム(AJ・ボーウェン)とともに、妹のいる共同体に潜入取材をする。
「エデン教区」と名付けられたその場所では、誰もが幸せそうに暮らしており、妹も元気で、ことあるごとに彼女は「ファーザー(ジーン・ジョーンズ)のおかげ」と何回も言う。
ところが、その「楽園」にも屈強な見張りが銃をかまえていて、不穏な空気が見え隠れしていた。パトリックたちは妹を救出しようとするが・・・。
カルト集団の映画で思い出すのは、ポール・トーマス・アンダーソン監督『ザ・マスター』だ。亡きフィリップ・シーモア・ホフマンが教祖さまだった。これは宗教をバックボーンにした人間ドラマだったが、この『サクラメント 死の楽園』は現実にあったこと。
1955年な教祖ジム・ジョーンズが創設したカルト集団「人民寺院」。南アメリカのガイアナに自給自足できる共同体「ジョーンズタウン」を作る。そして、1978年に914人の集団自殺事件が起こる。
カルト宗教の狂気が観ているこちらにも伝わって来るが、ミステリー度は低い。大勢の中にはこの「ファーザー」に対しての温度差があるし、子どもだけでも助けられたらと泣き叫ぶ母親もいて、死を前にして騒然となってしまう。
この世界を驚愕させた事件を、集団自殺人数を200人以下にして史実にほぼ忠実に作られていた。
☆サクラメントとは、キリスト教の用語で神の恩恵にあずかる儀式をいう。