🎬『黄金のアデーレ 名画の帰還』サイモン・カーティス監督/アメリカ、イギリス/109分/11月27日よりTOHOシネマズシャンテ他にて全国ロードショー公開
1998年、ロサンゼルス。マリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)は、夫が亡くなったあと、しゃれたブティックを開いて暮らしていた。そんなある日、ユダヤ人として苦労を共にした姉のルイーゼが亡くなり、ルイーゼが故郷のオーストリア政府にナチスに没収された絵画の返還を求めていたことを知る。
姉の願いを受け継ごうと決めたマリアは、友人の息子で弁護士のランディ・シェーンベルク(ライアン・レイノルズ)に相談する。彼は大きな弁護士事務所に雇われたばかりで、妻パム(ケイティ・ホームズ)と赤ん坊を養うために、あまり自由な時間がなかったが、母親の友人でもあり、高価な名画と知り、雇い主に一週間の休暇を貰い弁護を引き受けることにした。
オーストリア政府に返還してもらいたい絵画は超有名なクリムトの「黄金のアデーレ」。その国宝級の絵画を手放すわけがない。その頃、オーストリアは「ナチスに没収された絵画を返還します」というキャンペーン?中で安いものは返還に応じていたらしい。
そこにこの難問。雇われた弁護士は作曲家シェーンベルグのお孫さんで、けっこう駆け出しの弁護士にとって箔付けされ、無視できない存在になっている。演じるのは『ハッピボイス・キラー』『白い沈黙』のライアン・レイノルズ。
裁判ものとしても、俳優さんの演技(ヘレン・ミレンやダニエル・ブリュール)が楽しめ、それに歴史の勉強にもなる。
☆現在「黄金のアデーレ」はニューヨークのノイエ・ギャラリーに展示されている。マリアは2011年に94歳でお亡くなりになった。
☆新潮45の11月号のP138〜145に「ナチス略奪美術品の深い闇」はとても興味深く書いてある。
☆明日金曜は公開初日の『ミケランジェロ・プロジェクト』を観にいってから ナチス略奪美術品を扱った映画(2)をアップしたい。