勇気あるアラナイ(約90歳)9月19日公開 『シャーリー＆ヒンダ ウォール街を出禁になった２人』

『シャーリー＆ヒンダ ウォール街を出禁になった２人』ホバルト・ブストネス監督／ノルウェー、デンマーク、イタリア／82分／9月19日よりヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国順次ロードショー公開 

アメリカ・シアトルの田舎町に住むシャーリーとヒンダは大の仲良し。もう30年になる付き合いだ。お茶を飲みながら話すことは経済成長の話。

YouTubeでやっていた亡きロバート・F・ケネディの演説「数字ばかり追い求めるアメリカ経済のあり方」を聞いた二人は大学教授、経済学者、投資アドバイザー、学生たちに「教えて」と聞きまくるが…。

もうすぐ90歳になるお二人。歩くことはできるが長く歩けないので電動の簡易車椅子で移動している。頭脳明晰、お口は達者で、お偉い大学教授は聴講生として来た二人の方を見ないで授業している。最後には退場命令。

経済学者さんはいい加減に受け答えするが、だんだんとお顔がひきつって来たり、大きな財界トップが集まるディナーパーティーで質問してあわや大騒ぎになり、「くそばあばぁ、くたばってしまえ」などと聞こえよがしにビルの警備員に言われたりするが、この二人には「ひるむ」という文字はない。

そんな二人の私生活がとてもいい。意見を尊重し、相手の身体をいたわり、ユーモアのきいた口喧嘩をしていた。「年寄りらしく」という言葉か身にしみている日本人には是非とも観ていただきたい作品だ。