2015年08月16日

日本初上映に弱い困りミッキー 『火葬人』

映画好きなら誰もがそうだろうが、初上映には弱い。確かな作品情報もない中でも、そちらの方向に足が向いてしまうから始末が悪い。

今日の初上映作品は(5年ほど前、チェコ映画祭で英語字幕で上映した)特殊な上映場所や題名にそそられて来たが、至福な時を過ごせた。

場所は東京・恵比寿西口徒歩3分。30代ぐらいの美しい女性が経営している「画廊兼本屋」さん。
名前は「LIBRAIRIE6」で初の試みで8月だけ限定で夕方5時から1回のみ上映。これからも毎年8月に続けていけたらと話されていた。

お盆休暇中でもあり、30席ほどのスペースは満員。値段も千円とリーズナブル。まだ上映は続くので「初上映、期間限定」に弱いお方は、是非ともお出かけをマラソン


映画(かちんこ)『火葬人』ユライ・ヘルツ監督/チェコスロヴァキア/96分/1968年

ナチス・ドイツの足音が聞こえ始めた1930年末。プラハの火葬場に勤めるカレル・コップフルキングル(ルドルフ・フルシーンスキー)は、素直な妻と美しい娘、ひ弱な息子を愛し、チベット仏教に傾向していた。

そんな彼は、地域でも信用されていて大勢集まるサロンでは、時として人々の中心となり演説などする立場であった。

ある日、彼の親しい男ヴィリから、この土地のナチス党への誘いを受けるが拒否をする。だが、時の流れ、世間の噂から無意識ながらも「ユダヤの血が4分の1入っている家族を守らねばならない」と強く妄想を抱くようになる。



渋谷の映画館で見つけたチラシに魅入られてしまった。その男の顔は当分忘れそうにない。この男、理解しがたいが、妻や息子(娘には逃げられたが)を次々と殺していく。

妻には納得させて首吊り、息子は棺桶に既に入っている死体と共に火葬する。ここまでやる心理として、ユダヤの血のために、以後繰り広げられるユダヤの惨事から「守る」ためだろうか。

凡庸な、だけど「凡庸」さを毛嫌いすらする容貌の男に目が離せなくなった。顔を細め、口髭をつければヒットラーにもなり、慈愛にみちた笑顔は、ダライ・ラマにも見えてくる。

最後まで「半分理解」のまま固まりながら観てしまった。
posted by ミッキー at 23:09| Comment(3) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これは興味津々! 以前、チェコの建築関係の展示の中で、プラハの火葬場の写真をみたことがあります。赤白のストライプの外観。正面玄関の両脇には、灯を掲げた女性の像。映画では実際の火葬場も写っているのでしょうか・・・ ユダヤ絡みの内容といい、チベット仏教に傾倒している主人公のことなど、そそられる映画ですねぇ。
Posted by sakiko at 2015年08月19日 08:34
コメントありがとうございます。ぜひ、お出かけください。火葬場も出てきたとおもいます。パンフレットも買いました。
Posted by ミッキー at 2015年08月19日 11:42
昔、フリッツ・ラング監督の映画(M )を見たときの印象と同じような異様な怖さがあります。(ジキル氏とハイド氏)みたいに、悪魔と天使の顔がオーバーラップするような人間の持つ二つの顔!同期のヤン・シュバンクマイエル監督の(サバイビング・ライフ)みたいなコラージュ手法も冒頭のタイトルバックなどに用いられて居ましたね。
Posted by PineWood at 2015年08月27日 04:04
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