夏の始まりをつげるL&G映画祭は、ただ今開催中。ミッキーは金曜12日から4日間、青山スパイラル・ホールでほぼ全作品観にいく。どんな映画・なのか気になるので長編作品だけ調べてみた。
★『ハンパな私じゃダメかしら?』デジリー・アッカヴァン監督/イギリス/86分/英題:Appropriate Behavior/日本初上映
監督さんは主演もつとめるロマンティック・コメディ。
シリーンはイラン系一家の自慢の娘で、ブルックリン在住のヒップスターで、意識の高いバイセクシュアル…になろうとするも、すべてがハンパな20代女子。恋人のマキシーンとは別れ、家族にはカムアウトできず、子供向け映画教室の講師業は苦労ばかり。ああ、どうして人生こうなの?
★『ボーイ・ミーツ・ガール』エリック・シェーファー監督/アメリカ/95分/原題:Boy Meets Girl/日本初上映
笑いと感動で包み込んだ傑作ロマンティック・コメディ。
リッキーは田舎町で服飾デザイナーを夢見るトランスジェンダーの女の子。幼なじみの男友達ロビーとは固い絆で結ばれている。ある日、リッキーはフランチェスカという美女と出会って意気投合。
ロビーの心配をよそにリッキーはフランチェスカとの仲を深めていくが、兵士として戦地に派遣されていたフランチェスカのフィアンセが帰国して…。★『ザ・サークル』シュテファン・ハウプト監督/スイス/102分/原題:The Circle
2014年ベルリン国際映画祭テディ賞(ドキュメンタリー部門)受賞作、2015年アカデミー賞外国語映画賞スイス代表作品。
1950年代のチューリッヒ。教師のエルンストはゲイ雑誌『ザ・サークル』を発刊する地下組織に足を踏み入れる。組織のパーティーで女装パフォーマンスをする美青年ロビと一瞬で恋に落ちるエルンスト。しかし『ザ・サークル』を押さえ込もうとする政府の手はすぐそこまで迫っていた…。
★『スターライトの伝説』ケイト・クナス&サーシャ・ウォーツェル監督/アメリカ/70分/原題:We Came to Sweat/日本初上映
伝説のゲイバーの半世紀をひもとくドキュメンタリー。1962年、ゲイの黒人マッキー・ハリスにより、ブルックリンに「スターライト・ラウンジ」がオープン。そこは当時のマイノリティにとって安全な避難所だった。50年後、都市再開発の波が打ち寄せ、地域の店主たちは立ち退きを迫られる。歴史的・文化的に価値あるスターライトの存続を願い、仲間が立ち上がるが…。公民権運動、ディスコミュージックの栄華、そしてエイズ禍を見届けた伝説のゲイバーの半世紀をひもとくドキュメンタリー。
★『イート・ウィズ・ミー』デヴィッド・オー監督/アメリカ/95分/原題:Eat With Me/日本初上映
お腹のすくハートフルコメディ。
夫に失望した中年の主婦エマは、家を飛び出し、息子のエリオットのアパートに転がり込む。エリオットは冴えないラブライフと店の経営不振に悩む中華料理店のシェフ。ある日、エリオットがゲイだと知ったエマは、ショックのあまり息子を突き放してしまう。でも、店の危機を救えるのはエマ直伝のレシピだけ…。ジョージ・タケイが本人役で登場。★『トゥルー・カラーズ 〜愛について考えた一年間〜』エレン・ブロドスキー監督/アメリカ/68分/原題:The Year We Thought About Love/日本初上映
若さのきらめきが詰まった青春ドキュメンタリー。
15歳から22歳までのLGBTの若者が所属するボストンの劇団「トゥルー・カラーズ」。彼らは日常で経験した出来事を劇にして演じ、自らの過去やセクシュアリティと向き合っている。この年の劇のテーマは「愛」。親との関係、教会のホモフォビア、初恋の相手の死、ボストンマラソン爆弾テロ事件――さまざまな葛藤を乗り越えながら、16人の劇団員はそれぞれの「愛」を模索する。
★『夜間飛行』イ=ソン・ヒイル監督/韓国/134分/英題:Night Flight (原題:야간비행)/日本初上映
韓国の厳しい競争社会を背景に10代の若者たちの孤独を描く。中学では親友同士だったヨンジュ、ギテク、ギウンの3人。しかし高校に進学すると、ギウンはギテクをいじめるグループのボスになり、3人の関係性が歪んでいく。優等生のヨンジュは、問題児となったギウンに戸惑いながらも友情を取り戻そうとするが…。
『後悔なんてしない』(第17回上映)のイ=ソン・ヒイル監督作品。
★『クセニア』パノス・H・コートラス監督/ギリシャ、フランス、ベルギー/128分/英題:Xenia/日本初上映
対照的な兄弟を描いたクィアテイストあふれるロードムービー。2014年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品作。
アルバニア人移民の少年ダニーは、母の死後、兄オディをたずねてクレタ島からアテネにやってくる。2人は生き別れたギリシャ人の父に認知してもらい、ギリシャ国籍を手に入れるため、父の住むテッサロニキを目指すことになった。ゲイで移民でも我が道を突っ走るダニー、歌の才能があるのに夢を追うことをためらうオディは・・・。
★『お江戸のキャンディー』広田レオナ監督/79分
「白鳥の湖」をベースに作られた、美しき男たちの真実の愛の物語
男ばかりの“EDOワンダーランド”。EDO随一の美しさを誇る男花魁・白鳥太夫は、大衆人気No.1のキャンディーボーイ・フリ松と恋に落ちる。
しかし恋愛禁止令が発令され、EDOの町に奇病が流行る・・・。
3大バレエ作品の一つ「白鳥の湖」をベースに、美しき男たちの絢爛豪華な恋愛映画が誕生した。今注目の若手俳優たちのほか、竹中直人、吹越満らの共演陣、桃井かおりのナレーションも刺激的。★『太陽を失って』ルッキー・クスワンディ監督/インドネシア/94分/英題:In the Absence of the Sun (原題:Selamat Pagi,Malam)
絶えず変化する大都会ジャカルタ。女たちの愛と性をめぐる一夜の冒険が始まる。
32歳のギアは長年のニューヨーク生活を終えて故郷のジャカルタに帰国したばかり。同性愛者を受け入れないこの街に失望して留学したギアだったが、ニューヨークで恋人同士だったナオミと再会し、かつての希望に満ちていた日々を取り戻そうとする。傷つきながらも愛を求める20代、30代、40代のヒロイン3人の一夜を描いた群像劇。
時間など詳しくはtokyo-lgff.org/
2015年07月15日
もうひとつの東京国際 ・L&G映画祭2015
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