2011年8月に東京港区赤坂の乃木坂駅近くで36名の少女たちがデビューした。久々の正統派アイドルグループの誕生だ。だが、彼女たちには「AKB48の公式ライバル」という宿命があった。常に国民的アイドルAKB48と比較にされながら、少女たちは夢の実現のために今日まで走り続けてきた。
今まで2本、AKB48のドキュメンタリーを観てきたミッキーは「まるで集団ヒステリー」とか「いいように、人気をあおっている主催者たち」という辛口の批評をした。
だから、今作も試写に行こうか行くまいかと散々迷った。これをやめれば一日フリーだから骨休めできるしなぁと思っていたが、迷ったら実行 ! で行くことにした。
母親が、娘の小さい時やオーディションに応募するきっかけや、上京してからの苦労などを語る形式で進んでいく。だから非常にすんなり受け入れることが出来た。
ナレーションは女優の西田尚美さん。お一人が何人かの少女たちの母親を代弁するのだが、平板な感じは免れなかった。声を変えるのはできないが、やはり同じ調子では慣れが出て、言葉自体の印象が薄くなった。二人ぐらいで交代にすればよかったように思う。
もうこれは公開が迫っているので、なにも書かないが「若い子が観るもの」とは思わないでほしい。少女たちの苦しみや悲しみを乗り越えた先に見ることができる「喜び」が、いっぱい、いっぱい、詰まっているドキュメンタリー。
☆ピアノを弾く可愛い少女がいた。舞台でも弾いていたが基礎がしっかり叩き込まれたクラシックな弾き方で驚いた。幼い時から相当厳しい訓練をした子が、なんでここに入ってきたのか……すごく興味を持った。
☆歌の発声練習のシーンがあったが、これは完全に地声でやっていた。こんな発声練習では若い子の喉をつぶしてしまうと心配になった。作品の最後の方に誰かが母校を訪ねた時、彼女の後輩たちが合唱で迎えてくれた。その時の清々しい発声にホッとした。いまさらだが「見せるためのグループ」で「聴かせる」のではないということだ。