『フレンチアルプスで起きたこと』リューベン・オストルンド監督/スウェーデン、デンマーク、フランス、ノルウェー/118分/原題:Turist/7月 4日よりヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国ロードショー公開
フレンチアルプスに5日間のスキーバカンスにやってきたスウェーデン人一家。夫はビジネスマン・トマス(ヨハネス・バー・クンケ)、美しい妻エバ(リサ・ロブン・コングスリ)、可愛い娘と息子。
バカンスの2日目にレストランのテラスで食事をしている時、いきなり爆音と共に雪崩が起こり、テラスの直前まで迫って来た。スキー場の安全のために人為的に起きた雪崩であったが、予想外に勢いがつきテラス直前まで来て、当たり一帯は真っ白な雪けむりで覆われてしまった。
ことは大事に至らなかったが、家族をおいて一人逃げてしまった夫の行動に妻子はガッカリする……。
フレンチアルプスという題名から想像するとロマンチックな映画か?と思い、デートで観たりしたら、観終わって意見の違いから喧嘩するかも知れない内容だ。
正直なところ、ミッキーのはじめに出た感想は「めんどくさい内容」だった。ミッキーおばぁの年金満額年齢になっちゃえば「そんなことでアタフタするな。相手に期待するな。」と言いたい。
母親は子供を守る本能が男にくらべて強いと思う。だからといって、男をグチグチと責めたてるのはいけない。
私が主人公なら「わ、わ、ごめんなさい。一目散に俺だけ逃げてしまって……まだまだ俺は未熟ものだ。心から恥ずかしいよ」とか言って頭下げる。
ここに出てくる夫は今まで、仕事や家庭を普通以上のレベルでやって来た男だ。
それが事故であんな行動を無意識にとってしまったが、これが反対に、いつもグータラで女癖も悪く、妻の働きに頼っているし、子に対してもほとんど無関心な夫が「イザ」という時に思いがけず「素早く妻子を守った」ならどうだろう。不平不満のあった妻はすべてを許して何も言わず「一生、この人と・・・」と思うだろうか。
それが事故であんな行動を無意識にとってしまったが、これが反対に、いつもグータラで女癖も悪く、妻の働きに頼っているし、子に対してもほとんど無関心な夫が「イザ」という時に思いがけず「素早く妻子を守った」ならどうだろう。不平不満のあった妻はすべてを許して何も言わず「一生、この人と・・・」と思うだろうか。
これ、女同士数人でみて(世代が違う方々ならもっといい)いろいろ語り合える映画だと思う。
☆ビバルディの「夏」が突き刺さるような音楽に聴こえてしまい驚いた。これ以外には音楽はほとんどなく、子どもが使う電気歯ブラシの音や清掃する掃除機の音、リフトの流れる音などみんな機械的な音ばかりだった。そんなガタガタ、ギシギシが夫婦関係をあらわしているようだった。