1953年、スターリンの支配に脅えるソ連で、次々に子供たちの変死体が見つかる。9歳〜14歳が多く、全裸で胃を摘出されているという残虐なものだった。殺人現場は山村の線路沿い、だが死因は溺死。
「社会主義の理想国家には、資本主義の腐敗から生み出される犯罪はない」という国家体制の陰で殺しが際限なく続く。
犯人を追う国家保安省の捜査官レオ(トム・ハーディ)は真実に迫るに従い、捜査を邪魔する国家、妻ライーサ(ノオミ・ラパス)のスパイ容疑などで追い詰められていく。
この映画は旧ソビエト連邦で実際に起きた「アンドレイ・チカチーロ連続殺人事件」を基に作られた。巨匠リドリー・スコットが製作に加わり映画化された。
実は10年以上前に確かNHK深夜に邦題が『市民X』(CitizenX)という作品を見た。いま調べみたら『ロシア52人虐殺犯/チカチーロ』という題名になっている。
この作品を当時見た感想は「もっと凄まじい映画と思ったが、地味で無口な主役・検死官(スティーヴン・レイ)の国と連続する犯罪の板挟みと恐怖に、ノイローゼのようになって泣くシーンがあった。その場面がとても印象的だった」と書いてあった。
これもアメリカ映画でクリス・ジェロルモ監督(1996年)作品だった。『チャイルド44〜』とくらべても遜色ないものだった。同じ事件を扱っているこの二つを是非観ていただきたいと思う。
※トム・ロブ・スミス著「チャイルド44」はロシアでは発禁本になっている。
☆これを書いてからdvd屋にいって「ロシア52人虐殺犯〜」を探して貰ったが TSUTAYAではdvdは無いと言われた。もう一度是非見たい作品だから、ほかでも探そうとおもっている。