『この窓、むこうがわ』迫田公介監督 19分
学校に行けなくなってしまった小学生の由美は、真向かいに住む女性理恵子さんと窓越しでお話することを楽しみにしている。
そんな時、理恵子さんとお母さんが大声で喧嘩しているのを聞いてしまう。その口喧嘩の内容で、いつも新しい恋人と楽しいデートの話ばかりする理恵子さんも引きこもりだったことがわかる。
自分と同じだと知った由美は・・・。
ユニークな方法で外にでる二人。年齢は7、8歳のひらきはあるが、主導権は由美だ。手作りの窓枠を作って、持ちながら外を歩くのだ。
その窓枠の中から、生まれてくる勇気がさらっとした感覚で描き出されていた。
『父の愛人』迫田公介監督 38分
幸子(河野知美)は、小さい時から両親の不仲に悩みながら成長して来た。父は愛人を作りほとんど家には帰ってこなくなり、情緒不安定な母親と二人きりの生活を送っていた。
そんなある日、幸子の父親が倒れ、病院に運ばれた。「病院を教えて欲しい」と父の愛人・敦美(麻丘めぐみ)が訪ねて来る。母親はとんでもないと拒絶する。が、その様子を見た幸子は母親に反発して、病院を教えようと敦美の後を追うが……。
愛人を作られていつもヒステリー気味の母親、その姿を見て育った娘、そして愛人。その三人の気持ちは手に取るようによく分かったが、それ以上の描写や心の葛藤が深く描けてなかったように感じた。
それより、幸子が不倫していて、(本当か嘘かはっきりしないが)妊娠しているようなことを言っていたが、そちらの方はどうなってしまうのか心配になった。